【ゲーム開発の第一歩】ゲームエンジンの特徴や利用するメリット、おすすめツールを紹介!

私たちが日常で楽しんでいる数多くのゲーム、例えば「ポケモンGO」や任天堂の作品から、最新のスマホゲームに至るまで、それらはすべてゲームエンジンの力を借りて生み出されています。

この記事では、ゲームエンジンの基礎知識や種類、特徴、さらには選び方まで徹底的に解説します。

ゲーム開発したいけど、どのゲームエンジンを使えば良いかわからない」という方はぜひご覧ください!

目次

ゲームエンジンとは

ゲームエンジンとは、ビデオゲームの開発において、物理演算やグラフィックレンダリング、音声、スクリプティングなどの複雑な機能を統合し、開発プロセスを効率化するソフトウェアフレームワークです。

これは、開発者がゼロから全てを構築する代わりに、基本的な構造やツールセットを提供し、より創造的なゲームデザインに集中できるようにします。

UnityやUnreal Engineのような主要なゲームエンジンは、その柔軟性とパワーで広く認知されており、インディーゲーム開発者から大手ゲームスタジオまで幅広く利用されています。

ゲームエンジンの普及によってゲーム開発は以前にも増してアクセスしやすくなり、開発の可能性を大きく広げています。

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ゲームエンジンでできること

ゲームエンジンを使用することで実現できる主な機能は3つあります。

1.光や影の表現をリアルタイムでレンダリング

ゲームエンジンは、リアルタイムでの3Dグラフィックスのレンダリングを可能にします。

これにより、開発者は詳細なテクスチャ、複雑な光源処理、リアルタイムでの影の描写など、高度なビジュアルエフェクトをゲーム内で実現できます。

例えば、『フォートナイト』や『ウィッチャー3 ワイルドハント』のようなゲームでは、美しい景色とリアルなキャラクターがプレイヤーを引き込む重要な要素となっています。

ゲームエンジンの進化により、これらのビジュアルエフェクトはますます洗練されています。

2.物体の衝突や液体の流れ方など、物理法則をシミュレーション

ゲームエンジンには物理エンジンが組み込まれているため、ゲーム内でのオブジェクト間のリアリスティックな相互作用が可能になります。

これは、オブジェクトが落下する速度、衝突時の挙動、液体の流れ方など、自然法則に基づいた動きをシミュレートします。

『アングリーバード』のようなゲームでは、物理エンジンが正確な軌道計算を行い、リアルな破壊表現を提供することで、ゲームプレイの核となっています。

この技術により、ゲームはより直感的で楽しい体験を提供できるようになります。

3.幅広いプラットフォームに対応している

現代のゲームエンジンは、一つのソースコードから複数のプラットフォームへの展開をサポートしています。

これにより、開発者はPC、コンソール、モバイルなど、さまざまなデバイスに対応したゲームを効率的に開発できます。

例えば、『モニュメントバレー』のようなゲームは、その美しいビジュアルと独特なゲームプレイで、iOSやAndroidだけでなく、WindowsやmacOSでも楽しまれています。

マルチプラットフォーム対応により、より広いオーディエンスにゲームを届けることができるようになりました。

ゲームエンジンを使用するメリット・デメリット

ここでは、ゲームエンジンを使用することのメリット・デメリットを解説していきます。

メリット

1.開発の高速化とコスト削減ができる

ゲームエンジンを使用することで、開発プロセスが高速化され、コストを削減できます。

既に多くの基本的な機能がエンジンに組み込まれているため、開発者は複雑なコーディングを一から行う必要がなく、アセットの再利用が可能になります。

これにより、特にスモールチームや個人開発者にとって、リソースの節約に大きく貢献します。

2.変更する都度でテストができるため、プロトタイピングが効率化する

多くのゲームエンジンは、リアルタイムでの編集とテストを可能にします。

これにより、開発者は変更を加えた直後にその結果を確認でき、迅速なプロトタイピングが可能になります。

この即時のフィードバックループは、デザインプロセスを効率化し、よりクリエイティブな実験を促進します。

3.豊富なドキュメントやコミュニティサポートが開発の障害を超える助けになる

UnityやUnreal Engineのような主要なゲームエンジンは、広大なユーザーコミュニティと充実したドキュメント、チュートリアルを有しています。

初心者から上級者まで、あらゆるレベルの開発者が情報共有や問題解決のためにリソースを利用できます。

また、多くのエンジンはフォーラムやQ&Aセクションでアクティブなサポートを提供しており、開発中の障害を乗り越える助けとなります。

デメリット

1.機能を使いこなすには相応の時間がかかる

ゲームエンジンの提供する強力な機能性は、新規ユーザーにとっては良いことだけではありません。

多様な機能、高度なツールセット、複雑なインターフェースは、初めて触れる開発者にとって圧倒的なものとなり、学習過程が非常に困難になることがあります。

例えば、UnityやUnreal Engineなどのエンジンは、豊富な機能を提供していますが、それらを効果的に使いこなすためには、広範なドキュメントを読み込む必要があり、また多くの場合、コミュニティフォーラムやチュートリアル動画などを活用する必要があります。

この学習プロセスには時間がかかり、開発の初期段階での進行速度を遅らせる可能性があります。

さらに、ゲーム開発の経験が浅い人にとっては、この学習曲線が開発の挫折につながることもあります。

2.特定のハードウェアではロード時間や画質に影響を及ぼす可能性がある

ゲームエンジンを使用して開発されたゲームは、時にパフォーマンスの問題に直面することがあります。

これは、エンジンが提供する汎用的なソリューションが、特定のプロジェクトや特定のハードウェア設定に完全に最適化されていないために発生します。

特に、重いグラフィック処理や複雑な物理演算を多用するゲームでは、ロード時間の長さやフレームレートの低下が顕著になることがあります。

これは、特にリアルタイム性が求められるアクションゲームや、大規模なオープンワールドゲームで問題となりやすいです。

おすすめのゲームエンジン5選

ここからは、おすすめのゲームエンジンを5つご紹介します。

1.Unity

Unityは、2Dおよび3Dゲームの開発に対応している汎用性の高いゲームエンジンです。

プログラミング言語

初めてのユーザーでも容易にゲーム開発を始めることができ、プログラミングの知識がなくてもゲーム作成が可能ですが、より複雑なゲーム開発にはC#の知識が必要となります​​​​。

対応プラットフォーム

Unityは豊富なプラットフォームに対応しており、iOS、Android、Windows、macOS、Linux、PlayStation、Xbox One、Nintendo Switchなど、20以上の異なるプラットフォームでゲームをリリースできるため、幅広いユーザーにアプローチできます​​。

料金体系

Unityの料金体系には、無料のPersonalプランから始まり、より多くの機能を利用できるPlus、Pro、エンタープライズ向けのプランがあります。

Personalプランは無料で、基本的な機能を全て利用できますが、商業利用には一定の制限があります。

Plusプランは月額4,200円、Proプランは月額15,000円で、それぞれより高度な機能やサポートが提供されます​​。

Unityで開発されたゲーム

Unityで開発された具体例としては、「白猫プロジェクト」や「Pokemon GO」などがあり、これらのゲームはUnityの3Dゲーム開発能力を活かしています。

また、Unityはゲーム以外の分野、例えば医療教育や建築シミュレーションなどにも利用されており、その応用範囲の広さがUnityを選ばれる大きな理由の一つです​​。

Unity公式サイトはこちら

Unityについて知りたい方はこちら↓

2.Unreal Engine

Unreal Engineは、Epic Gamesによって開発された強力なゲームエンジンで、特に3DおよびVRゲーム開発に優れています。その高度なグラフィックスとビジュアル表現力は業界内で高く評価されています。

プログラミング言語

プログラミング言語はC++です。あるいは、「ブループリントシステム」により、プログラミング知識がなくてもゲームのシステムやロジックを構築できる点にあります。これにより、より直感的で柔軟なゲーム開発が可能になっています​​​​。

対応プラットフォーム

エンジンは複数のプラットフォームに対応しており、PC、コンソール、モバイルデバイス向けのゲーム開発が可能です。これにより、開発者はさまざまなデバイスでゲームをリリースすることができます​​。

料金体系

このエンジンは基本的に無料で利用でき、全ての機能にアクセス可能ですが、制作したゲームやアプリが総収入で100万ドルを超えた場合、5%のロイヤリティを支払う必要があります。

Unreal Engineで開発されたゲーム

Unreal Engineは、ドラゴンクエストXIやFINAL FANTASY VII REMAKE、キングダムハーツ3といった幅広いジャンルの人気ゲームで使用されており、そのリアルなビジュアルと高度な演出能力が特徴です​​。

Unreal Engine公式サイトはこちら

3.Godot

Godotは、クロスプラットフォームかつオープンソースの2D/3Dゲームエンジンで、MITライセンスの下で提供されています。

2Dおよび3Dのゲーム開発に適しており、VR/ARの開発も可能です。

プログラミング言語

プログラミング言語としては、Pythonに似た独自のスクリプト言語であるGDScriptが用いられますが、C#やC++の使用も可能です。

これにより、初心者でも比較的簡単にゲーム開発を始めることができ、また、経験豊富な開発者にとっても高度なゲーム制作が可能になります​​。

しかし、Unityなど他のゲームエンジンと比較して、日本語での学習リソースやサポートが限られているため、学習には少し労力が必要です​​。

対応プラットフォーム

Windows、macOS、Linux、iOS、Androidなど、多岐にわたるプラットフォームに対応しており、その柔軟性とアクセシビリティにより開発者から高い評価を受けています​​。

料金体系

Godotの使用は完全無料です。このエンジンは寄付によって支えられており、Meta(旧フェイスブック)のRealityLabsからの寄付も受けています​​。

Godotで開発されたゲーム

Godotで開発されたゲームの例として、「ソニックカラーズ アルティメット」が挙げられます。

このゲームは、世界的人気キャラ「ソニック」が3Dと2Dが切り替わる立体感のあるステージを、様々なギミックを乗り越えながらハイスピードで駆け抜けるゲームです。

Godot公式サイトはこちら

4.Game Maker

GameMakerは、2Dゲーム制作に特化しており、特にアクションやシューティングゲームの開発に適しています。

海外では広く使われていますが、日本ではあまり知られておらず、日本語の資料が少ないのが難点です。

プログラミング言語

Game Makerは、ドラッグアンドドロップで直感的にゲーム開発ができるツールです。

プログラミング知識があれば、「GML(GameMaker Language)」を使用して細かな処理が可能です。

対応プラットフォーム

以下の4つのプランごとに対応プラットフォームが異なります。

料金体系

料金体系は以下の4つです。

  1. FREE: 無料。機能制限なしで開発可能ですが、実行ファイルを配布)することはできません。
  2. CREATOR: 月額510円・年額5150円。デスクトップ (Windows / macOS / Linux) のみ出力可能。
  3. INDIE: 月額1010円・年額1万300円。Windows / macOS / Android / iOS などコンソール(家庭用ゲーム機)以外への出力が可能です。
  4. ENTERPRISE: 月額8250円・年額8万2500円。PS4 / PS5 / Nintendo Switch / Xbox One などコンソールへの出力が可能です。

Game Makerで開発されたゲーム

Game Makerで開発されたゲームの例として、2Dロールプレイングゲーム「UnderTale」が挙げられます。

プレイヤーは地下の世界に落ちた人間の子供を操り、モンスターたちと出会い、戦闘や会話を通じて地上への帰還を目指します。

このゲームは、非暴力的な解決方法を選択できること、個性的なキャラクター、独自性のあるストーリーラインで高く評価されています。また、そのサウンドトラックも非常に人気があります。

Game Maker公式サイトはこちら

5. Cocos2d-x

Cocos2d-xはオープンソースのゲームエンジンで、主に2Dゲーム開発に適していますが、限定的な3D機能もサポートしています。

プログラミング言語

C++やJavaScript、Luaでの開発が可能です。

対応プラットフォーム

Cocos2d-xはその軽量性と高いパフォーマンスで知られ、iOS、Android、Windows、Macなど複数のプラットフォームに対応しています。これにより、開発者は広範囲のデバイスでゲームを展開できる利点を持っています。

料金体系

完全無料で利用可能です。

Cocos2d-xで開発されたゲーム

このエンジンで開発された有名なゲームには「モンスターストライク」があります。

このゲームは、育てたモンスターを自分の指で引っ張って敵モンスターに当てて倒す新感覚アクションRPGで、2023年10月に10周年を迎えた大人気スマホゲームです。

Cocos2d-x公式サイトはこちら

ゲームエンジンの選び方

適切なゲームエンジンを選択する際には、考慮すべき3つの主要なポイントがあります。

1.プロジェクトの要件や目的と合っているか

ゲームの種類や目指す品質、対象プラットフォームなど、プロジェクトの具体的な要件に合わせたゲームエンジンを選択することが重要です。

例えば、高度な3Dグラフィックと複雑な物理演算を必要とするAAAタイトルの開発には、Unreal EngineやUnityが適しています。

一方、2Dゲームやモバイルゲームの開発では、GodotやGameMakerがより適切な選択肢になることがあります。

2.開発リソースや予算を把握して、費用対効果を検討する

ゲームエンジン選択時には、利用可能な予算と開発リソースも重要な考慮事項です。

多くのゲームエンジンは無料で利用できますが、商用利用時にロイヤリティを要求するものもあります。

例えば、Unreal Engineは商用プロジェクトで一定の収益を超えるとロイヤリティが発生します。

また、強力なゲームエンジンは高性能な開発環境を要求することがあり、そのセットアップには追加のコストがかかることがあります。

3.コミュニティは活発に活動しているか、サポート体制は充実しているか

ゲームエンジンを選ぶ際には、公式のサポート体制やユーザーコミュニティの活発さも考慮するべきです。

充実したドキュメンテーション、アクティブなフォーラム、豊富なチュートリアルは、開発中の問題を解決する上で大きな助けとなります。

UnityやUnreal Engineは、世界中に広いユーザーベースを持ち、多くの質問や問題がコミュニティ内で共有されているため、新たな開発者も情報を容易に得られます。

また、専門知識を持った会社にコンサルティングを頼むのも良いでしょう。

ゲーム開発に必要なスキル

ゲーム開発には、多岐にわたるスキルが必要です。特に重要な以下4つのスキルについて解説していきます。

1.プログラミング能力

ゲーム開発の核となるのはプログラミングスキルです。

C#やC++、Javaなど、ゲームエンジンに応じたプログラミング言語の知識は必須です。

例えば、Unityエンジンで開発を行う場合、C#でのスクリプティング能力が求められます。

このスキルを通じて、ゲームのロジックやキャラクターの動き、インタラクションの実装などが可能になります。

2.グラフィックデザイン

魅力的なビジュアルは、ゲームの成功において非常に重要な要素です。

PhotoshopやBlenderなどのツールを使用した2D/3Dグラフィックデザインのスキルが必要となります。

キャラクターデザイン、環境の構築、UI/UXデザインなど、ゲームのビジュアル面を担う重要なスキルです。

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3.サウンドデザイン

ゲーム体験を豊かにするためには、効果音や音楽の作成が欠かせません。

サウンドデザインのスキルを持つことで、ゲーム内の環境音やキャラクターのアクションに合わせた効果音、ゲームの雰囲気を高める音楽などを作成できます。

AudacityやFL Studioといったオーディオ制作ツールの知識が役立ちます。

4.プロジェクトマネジメント

ゲーム開発はチームでの作業が一般的であり、効率的な進行管理が不可欠です。

スケジュール管理、タスク割り当て、進捗の監視など、プロジェクトをスムーズに進めるためのマネジメントスキルも求められます。

AgileやScrumといった開発手法の理解も、大規模プロジェクトでは特に重要です。

まとめ

この記事では、ゲームエンジンの基礎知識からメリット・デメリット、おすすめのゲームエンジンまで幅広く解説しました。

目的に合ったゲームエンジンを選び、効率よく魅力的なゲームを開発するようにしましょう!

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