【AR/MRアプリ・システム開発】必要な技術・ツールの選び方を解説!

AR(拡張現実)やMR(複合現実)アプリ・システム開発は、今日のテクノロジー界で注目を集めています。

しかし、これらの技術の違いや、開発に必要な技術、ツールの選び方について、多くの人が疑問を抱えています。

この記事は、AR/MRアプリ・システム開発に関心を持つ初心者や、これから開発を始めようとしている方々向けに、必要な基礎知識から必要な技術、おすすめツールや開発会社の選び方まで、幅広く解説します。

AR/MRの基礎知識

AR(拡張現実)とは

AR技術は、現実の環境にデジタル情報やオブジェクトを重ね合わせることで、ユーザーの現実感覚を拡張します。

スマートフォンやタブレット、専用のARメガネを通じて、現実世界の画像に仮想的な要素が加えられます。

例えば、スマートフォンのカメラを通して見ると、画面上には実際には存在しないオブジェクトや情報が映し出されるのです。

これは、教育、小売、ゲーム業界など多岐にわたる分野で利用されています。

MR(複合現実)とは

MRはARをさらに進化させた形態と言えます。MRでは、現実世界とデジタル世界が融合し、仮想オブジェクトが現実世界の物理法則に従って動作します。

これにより、ユーザーは現実世界のオブジェクトと仮想オブジェクトの両方と対話することが可能になります。

MRの技術は、特に製造業、設計、医療分野でのトレーニングやシミュレーションツールとして有効活用されています。

また、AR/MRよりもデジタルコンテンツへの没入度を高めた技術をVR(仮想現実)といいます。

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AR/MR開発の5つのステップ

まずは、AR/MR開発の全体像を掴みましょう。AR/MR開発するには、以下の5つのステップを理解し、それぞれのプロセスに適切に取り組む必要があります。

1.コンセプトを決める

開発プロジェクトの最初のステップは、アプリやシステムのコンセプトを決めることです。

この段階では、何を実現したいのか、誰のためにそれを作るのか、どのような価値を提供するのかを明確にします。

例えば、家具店での購入前に家具を仮想的に配置してみることができるARアプリのコンセプトを考える場合、顧客が家具を購入する際の不安を解消すること」を目指すことが良いでしょう。

2.技術やプラットフォームを選ぶ

コンセプトが決まったら、そのアイデアを実現するために必要な技術やプラットフォームを選択します。

AR/MRにはさまざまな開発ツールやプラットフォームがありますが、プロジェクトの要件に応じて最適なものを選ぶ必要があります。

例えば、一般的に使用されるUnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンが適している場合もあれば、特定のデバイスに特化したSDKを使用することもあります。

3.設計やプロトタイピングを行う

技術の選定が終わったら、具体的な設計やプロトタイピングに移ります。

この段階では、UI/UXの設計、3Dモデルの作成、インタラクションの設計などを行います。

プロトタイプを作成することで、コンセプトが実際に機能するかテストし、必要に応じて調整を行います。

これにより、開発の方向性を早い段階で確認できます。

4.実際の開発やテストをする

設計とプロトタイピングが完了したら、実際の開発に入ります。

この段階では、コーディング、アセットの統合、機能の実装などが行われます。

開発が進むにつれて、定期的にテストを行い、バグの修正や性能の最適化を進めていきます。

テストは、開発プロセスの重要な部分であり、製品の品質を保証するために不可欠です。

5.フィードバックをもとに改善をくり返す

開発とテストが終了したら、製品を市場に投入します。

リリース後は、ユーザーからのフィードバックを積極的に収集し、それをもとに製品の改善を行います。

フィードバックは、製品の使いやすさ、機能の追加要望、バグの報告など、さまざまな形で寄せられます。

このフィードバックを分析し、製品のアップデートや新機能の開発に活かすことが、長期的な成功につながります。

AR/MR開発に必要な技術

ここからは、AR/MR開発に関わる具体的な技術やスキルについて解説します。

1.3Dモデリング技術:キャラクターや建造物などの形状を作る

3Dモデリングは、AR/MRアプリケーションにおいて、現実世界に重ね合わせる三次元のオブジェクトを作成する技術です。

この技術により、ユーザーの環境にリアルタイムで統合される立体的な画像が生成されます。

例えば、教育用アプリで歴史上の建物を3Dで再現し、学生がその建物をあらゆる角度から見ることができるようにします。

3Dモデリングについて知りたい方はこちら

2.プログラミング能力:3Dモデルを動かす

プログラミングは、アプリケーションの機能を実装するために必要な技術です。

C#やJava、JavaScriptなど、さまざまなプログラミング言語がAR/MR開発に使用されます。

例えば、ユーザーの動きに応じて3Dオブジェクトが動くようなインタラクションを実現するためには、プログラミング技術が不可欠です。

3.ゲームエンジンの操作技術:光や影のレンダリング・物理演算

ゲームエンジンは、複雑な3Dグラフィックスのレンダリング、物理演算、音声管理など、ゲームやインタラクティブなアプリケーション開発に必要な機能を提供します。

UnityやUnreal Engineは、AR/MR開発で広く利用されているゲームエンジンの例です。

これらのツールを使用することで、開発者は高品質なビジュアルとインタラクションを効率的に実現できます。

4.UIやUXの設計:ユーザーにとって使いやすいアプリにする

UI(ユーザーインターフェイス)およびUX(ユーザーエクスペリエンス)設計は、ユーザーがアプリケーションを使いやすく感じるようにするために重要です。

これには、アプリケーションのレイアウト、ナビゲーション、インタラクションの設計が含まれます。

例えば、ショッピングアプリでは、商品を探しやすく、購入プロセスを簡単にするために、効果的なUI/UX設計が求められます。

5.ネットワーク/サーバー管理の知識

AR/MRアプリケーションはしばしば、インターネット経由でデータをやり取りするためにネットワーク技術が必要です。

これには、クラウドサーバーへのデータのアップロードやダウンロード、リアルタイムでのマルチプレイヤー機能のサポートなどが含まれます。

例えば、複数のユーザーが同じ仮想空間で協力するゲームを開発する場合、安定したネットワーク接続と効率的なサーバー管理が不可欠になります。

おすすめAR/MR開発ツール6選

ここからは、おすすめAR/MR開発ツールを6つご紹介します。

3Dモデリングソフトウェア、ゲームエンジン、ARプラットフォームから2つずつ取り上げます。

1.Blender – 3Dモデリングソフトウェア


メリット: Blenderは無料で利用できる強力な3Dモデリングプラットフォームです。オープンソースであるため、継続的なアップデートと改善が行われています。ユーザーインターフェースは直感的で、3Dモデリング、アニメーション、レンダリング、さらにはビデオ編集やゲームの作成にも対応しています。

デメリット: Blenderは学習曲線が比較的急で、初心者には難しいと感じられることがあります。また、業界の標準ツールと比べると、いくつかの高度な機能が欠けている場合があります。

Blender ウェブサイト

Blenderについて知りたい方はこちら

2.Maya – 3Dモデリングソフトウェア


メリット: Mayaはプロフェッショナルな3Dアニメーション、モデリング、シミュレーション、レンダリングに広く使用されているソフトウェアです。

高度なツールセット、リアルタイムのビューポート、広範なプラグインサポートがあり、大規模なプロジェクトや商業用途に最適です。

デメリット: Mayaは高価であり、個人開発者や小規模チームにとってはコストが障壁になることがあります。また、高度な機能のためには相応の学習時間と習熟度が要求されます。

Maya ウェブサイト

Mayaについて知りたい方はこちら

その他の3Dモデリングソフトウェアについて知りたい方はこちら

3.Unity – ゲームエンジン

メリット: Unityは、使いやすさと柔軟性で広く認知されています。豊富なアセットストアと広範囲にわたるドキュメンテーションがあり、初心者からプロフェッショナルまで幅広く対応しています。

また、マルチプラットフォーム対応が強力で、特にモバイルARアプリケーション開発に適しています。

デメリット: 高度なグラフィックス処理や複雑な物理演算には限界があり、Unreal Engineに比べるとビジュアルの品質が劣ることがあります。

Unity ウェブサイト

Unityについて知りたい方はこちら

4.Unreal Engine – ゲームエンジン

メリット: 高品質なビジュアル表現が最大の強みです。リアルタイムレンダリング能力が非常に高く、複雑な環境や詳細な物理演算を扱う開発に最適です。ビジュアルエフェクトやアニメーションにおいて、業界をリードしています。

デメリット: 学習曲線が比較的急で、初心者にとっては手が出しづらい面があります。また、モバイルデバイスへの最適化がUnityに比べて難しい場合があります。

Unreal Engine ウェブサイト

その他のゲームエンジンについて知りたい方はこちら

5.Google ARCore – ARプラットフォーム

メリット: ARCoreは、幅広いAndroidデバイスで利用可能であり、ユーザー基盤が広いことが大きな利点です。環境理解、光源推定、モーショントラッキングなどの機能を提供し、リアリスティックなAR体験を実現します。

デメリット: デバイスの多様性による最適化の難しさがあります。異なるハードウェア仕様に対応するため、追加の調整が必要になる場合があります。

Google ARCoreウェブサイト

6.Apple ARKit – ARプラットフォーム

メリット: ARKitは、iOSデバイスに最適化されており、特にiPhoneやiPadでのパフォーマンスが優れています。顔認識、空間認識、オブジェクトトラッキングなどの先進的な機能が特徴です。

デメリット: iOSデバイスに限定されているため、Androidユーザーをターゲットにする場合は別のツールが必要です。また、最新のiOS機能をフル活用するためには最新のデバイスが必要になることがあります。

Apple ARKitウェブサイト

その他のARプラットフォームについて知りたい方はこちら

AR/MR開発ツールを選ぶ際の4つのポイント

AR/MRアプリ開発において、最適な開発ツールの選択はプロジェクトの成功に直結します。

ここでは、開発ツールを選ぶ際に考慮すべき重要なポイントを以下の4つの観点から解説します。

1.プロジェクトの目的とツールの機能が合っているか

開発ツールを選択する最初のステップは、プロジェクトの要件を明確にすることです。

何を実現したいのか、どのプラットフォーム(iOS、Android、Windowsなど)でアプリケーションを展開するか、どのような機能が必要かなど、プロジェクトの目標と要件を具体的にリストアップします。

これにより、必要な機能を提供する開発ツールを絞り込むことができます。

2.幅広い機種に対応しているか

選択する開発ツールは、ターゲットとするプラットフォームや既存の技術スタックとの互換性が高いものである必要があります。

例えば、iOSとAndroidの両方で展開するアプリを開発する場合は、クロスプラットフォーム開発が可能なツールを選ぶと効率的です。

また、プロジェクトチームが既に特定のプログラミング言語や技術に精通している場合は、それをサポートする開発ツールを選ぶことが望ましいです。

3.ユーザーサポートは充実しているか

開発ツールの選択において、充実したユーザーサポートの有無も重要なポイントです。

ドキュメントの充実度、チュートリアルの豊富さ、コミュニティやフォーラムでのサポートなど、学習リソースとサポート体制を確認します。

問題が発生した際に迅速に解決できるよう、アクティブな開発者コミュニティが存在するツールは特に有利です。

4.予算とリソースをもとに、必要な機能を取捨選択する

最後に、プロジェクトの予算と利用可能なリソースを考慮して開発ツールを選ぶことが重要です。

多くの開発ツールは無料で利用できますが、一部の機能やサポートを受けるためには有料のライセンスが必要な場合もあります。

また、高度な機能やカスタマイズ性を求める場合は、より多くのリソースが必要になることもあります。

プロジェクトの規模と目標に応じて、コストパフォーマンスの良い開発ツールを選択します。

おすすめAR/MR開発会社4選

ここからは、おすすめAR・MR開発会社を4社ご紹介します。

1.株式会社Forgers

  • 会社概要: Forgersは、家具・小売業界や製造業界、通信業界など幅広い会社を対象にVR/ARアプリケーションやメタバース開発を支援している会社です。
  • 事業内容: 3D・XR技術に特化したサービス開発・コンサルティングを行なっています。
  • 開発実績: VR・メタバースショッピングアプリの企画・開発や、EC・小売店舗向けARサービス「RITTAI」を提供しています。
  • 導入事例:ニッセン、イトーキ、ベイクルーズ(ACME Furniture / Journalstandard Furniture)、ワクワクランドなど、家具・小売事業者のオンラインショップにAR・3D機能を提供しています
  • RITTAIのWebサイトはこちら

2.株式会社ネクストシステム

  • 会社概要: ネクストシステムは、革新的なテクノロジーを駆使したソリューションを提供する企業です。
  • 事業内容: AR技術を活用したアプリケーションの開発に重点を置き、特に企業向けのカスタマイズされたソリューションを提供しています。
  • 開発実績: 様々な業界において、ARを活用したプロダクトやサービスを提供しており、特にビジネス向けアプリケーションの開発に強みを持っています。
ARサイネージ『VirtualFashion』

3.エムソフト

  • 会社概要: エムソフトは、デジタルソリューションの専門企業で、最新技術を用いたサービスを提供しています。
  • 事業内容: ARを活用したコンテンツの開発に加えて、VRや3Dグラフィックスなどの技術も扱っています。
  • 開発実績: 企業のプロモーション用のARアプリケーションやイベントでの活用など、幅広い分野での実績があります。
自動販売機設置シミュレーションARアプリ

4.Monsterlab

  • 会社概要: Monsterlabはグローバルに展開するデジタルプロダクト開発会社です。
  • 事業内容: ユーザー中心のデザインと最新テクノロジーを融合した、革新的なデジタルソリューションの開発に特化しています。
  • 開発実績: 世界中のクライアントに対し、AR・MR技術を用いた高品質なアプリケーションの開発を数多く手がけており、そのクオリティの高さで高い評価を受けています。
ARを活用した故障診断アプリ『Kubota Diagnostics』

そのほかのAR/MR開発会社について知りたい方はこちら

まとめ

この記事では、AR(拡張現実)およびMR(複合現実)の開発に必要な基本知識から始め、開発の全体像、必要な技術や、適切なツールの選び方、そして信頼できる開発会社の選定方法に至るまでを網羅しました。

AR/MR開発は複雑で挑戦的ですが、適切な準備と知識を持つことで、成功に導くことが可能です。

この情報が、AR・MR開発を始めるあなたの役に立つことを願っています。