【上場企業・スタートアップ別】AR/MR開発会社7選と目的別ソリューション一覧

AR(拡張現実)やMR(複合現実)といった技術は、様々な産業での活用が進んでいます。

家具や家電の小売業や製造業、建設業など多くの業界で、販促・営業ツールとしての活用や、業務効率化の目的で利用され、多くのXRソリューションが提供されています。

今回は、ARやMRの開発会社や、産業・目的別のソリューションを紹介していきます。

目次

AR/MRの基礎知識

これらの技術は私たちの生活やビジネスに革新をもたらす可能性を秘めていますが、多くの人々にとって、これらの概念はまだ新しく、特にVR(仮想現実)との違いが明確でないことがあります。

技術特徴
AR(拡張現実)実際の環境にデジタル情報を重ね合わせる技術
MR(複合現実)現実世界と仮想世界を融合させた技術
VR(仮想現実)完全に仮想化された環境に没入する技術

AR(拡張現実)とは

AR技術は、現実の環境にデジタル情報やオブジェクトを重ね合わせることで、ユーザーの現実感覚を拡張します。

スマートフォンやタブレットのカメラやARグラス越しに、実際の空間に「実際には存在しない仮想のデータ」を頂上させて表示することで、あたかもその場所に存在しているかの様な体験を提供します。
※関連記事:【2024年最新】Appleの最新デバイスも紹介|注目のARグラス・スマートグラス・MRデバイス16選

これは、教育、小売、ゲーム業界など多岐にわたる分野で利用されています。

家具・小売業界の例→ニトリも導入!ARで家具配置シミュレーション|EC・店舗での最新活用事例や導入効果

MR(複合現実)とは

MRはARの体験性さらに進化させた技術で、現実世界とデジタル世界が融合し、仮想オブジェクトが現実世界の物理法則に従って動作します。

これにより、ユーザーは現実世界のオブジェクトと仮想オブジェクトの両方と対話することが可能になります。

MRの技術は、特に製造業、設計、医療分野でのトレーニングやシミュレーションツールとして有効活用されています。

関連記事はこちら:2024年最新事例|AR/MRのビジネスへの導入・活用事例

VR(仮想現実)とは

ARやMR技術は現実空間に対する3DCGの投影だった一方で、VR技術はユーザーを完全に仮想の環境に没入させる技術です。

これは、ヘッドセットや専用のルームを使用して、視覚的および聴覚的に現実から隔離された環境を提供することにより実現されます。

VRは、エンターテイメントから教育、訓練まで幅広い用途で活用されており、ユーザーに全く新しい体験を提供します。

関連記事はこちら:【2024年最新】VR/メタバースのビジネスへの導入・活用事例

では、それらの技術をどのように自社のビジネスに活用するのかという点を紹介します。

XR(AR/VR/MR)の開発手法(1)UnityやUnreal Engineで開発する

ARやMRの導入手法として最も自由度が高く、機能をリッチにできるのは間違いなく「ネイティブアプリケーションの開発」です。

その際に最も利用されるのはゲームエンジン(3D空間のシミュレーションツール)であり、

  • Unity:XR開発に最も利用されている。開発ドキュメントが充実しており、スマホでも動作する様なライトなアプリケーション開発から、ゲーミングPCなどハイスペックな端末向けのアプリケーション開発まで幅広く得意とする。
  • Unreal Engine:高精細なグラフィックやシミュレーションを得意とする。Fortnite等をリリースしているEpic Games社が提供。

の2つのツールを利用するケースが多いです。

自由度が高い一方で、フルスクラッチの開発となる場合が多く、コストが嵩みがちである点には注意が必要です。

XR(AR/VR/MR)の開発手法(2)WebAR/WebVRで開発する

2つ目の手法は、ネイティブアプリではなく「WebAR/VRで開発する」という手法です。

専用のアプリをダウンロードすることなく、スマホやタブレットのカメラを使って、現実世界にデジタル情報や画像を重ね合わせることができる技術を指します。

最大の魅力は、その手軽さにあります。ユーザーはウェブブラウザを開き、特定のウェブサイトにアクセスするだけで、AR体験を楽しむことができるのです。

企業やブランドは、アプリのインストールを要求することなく、消費者にインタラクティブな体験を提供できます。

WebARの応用範囲は広く、リテール、広告、教育、エンターテインメントなど、様々な分野で利用されています。

詳しくはこちらをご覧ください→【WebARとは?】ARアプリとの違いやビジネスでの活用事例を解説!

XR(AR/VR/MR)の開発手法(3)AR/MRソリューションを利用する

3つ目の手法としては、既に提供されているXRソリューションの利用です。

  • VRエンタメソリューション/SNS(プラットフォーム):VRChatClusterSTYLY(AR機能もあり)
  • WebARソリューション:RITTAI(家具・小売・EC向けAR)、LESSAR(プロモーション向けAR)
  • MRソリューション:Remote Assist(製造・インフラ・建設業向け現場DX)

など、既に業界や用途別に多くのソリューションが提供されています。

ご利用の用途が明確な場合は、上記の様なソリューションを活用することで、低コストで実施したいAR/MR施策を実現できるでしょう。

まずは一度、XR開発・導入について相談する

上場企業・スタートアップ別:AR/MR開発会社6社とソリューション一覧

では、具体的にAR/MR開発開発会社を紹介していきます。

スタートアップ①株式会社Forgers|AR/MRの受託開発とWebAR/XRソリューションを複数展開

Forgersは、家具・小売業界や製造業界、通信業界など幅広い会社を対象にVR/ARアプリケーションやメタバース開発を支援している会社です。

自社ソリューションも複数提供しているほか、VR/ARアプリケーションの開発受託も行っており、取引先は株式会社NTTドコモや株式会社NTTコノキュー、株式会社ニトリ、株式会社イトーキ、芝浦機械株式会社など、通信・家具・小売・製造と幅広い業界の企業と取引しています。

参考リリース:(株)ForgersがNTT QONOQの遠隔医療支援システムに開発協力 – 高度な医療技術の伝承を支え、医師不足の解消に貢献

家具・小売・製造・住宅業向けに複数のWebAR/XRソリューション展開(SaaS)

Forgersは複数のソリューションを展開していますので、用途に合ったサービスを低コストで利用することも可能です。

  • 小売・家具業界向けオンラインストア・カタログ等への3D・AR/VR導入サービス「RITTAI
  • 家具・住宅業界向けのWebVR空間シミュレーター「RITTAI ROOM
  • 製造業界向け3D・デジタルマニュアルサービス「RITTAI MANUAL」(大手自動車部品メーカーや建材メーカー等が利用)

いずれも大手企業から中小企業まで導入実績多数ですので、安心して利用できます。

まずは無料で相談も承っていますので、少しでも興味がある方は、カジュアルに一度相談してみると良いでしょう。

スタートアップ②株式会社STYLY|ARやメタバース施策向けエンタメプラットフォーム

株式会社STYLYが、自社開発のVR/ARコンテンツ制作プラットフォーム「STYLY」を提供中。

STYLYは主にエンターテイメント用途で利用されるAR/メタバースアプリで、

  • オリジナルメタバース空間制作
  • 実際の場所に紐づくロケーションARコンテンツの体験

などが可能な、幅広い企業やクリエイターが利用しているプラットフォームです。

参考事例:STYLYを活用した“超次元モータースポーツ” AIR RACE X2024年シリーズ、計3レースが開催決定!!

手軽にイベント等でARやメタバースを活用したい方はお問い合わせしてみると良いでしょう。

STYLYの公式ページはこちら

スタートアップ③株式会社ホロラボ

株式会社ホロラボはXR開発スタートアップで、建設業のDXや建造物のデジタルアーカイブ等を中心に多くの支援実績を有します。

Microsoft社のMRデバイス・HoloLens2を活用したMRアプリケーション・システムの開発・提供事例が大変豊富です。

自社ソリューションは

などがある点に加え、受託開発も得意としています。

ホロラボの公式サイトはこちら

非上場・スタートアップ④株式会社シナスタジア|エンタメコンテンツの開発実績多数

シナスタジアは、AR・MR技術を活用したインタラクティブなコンテンツの開発を中心に実績が豊富です。

複数のセンサー技術を組み合わせた独自のインタラクティブ体験の提供が強みで、エンターテインメントから教育、医療まで幅広い応用が可能です。

自動運転走行時における自動運転用3Dマップと連動したARコンテンツの開発。

シナスタジアの公式Webサイトはこちら

非上場・スタートアップ⑤株式会社ネクストシステム |ARファッション・サイネージソリューション

ネクストシステムは、 AR技術を活用したアプリケーションの開発に重点を置き、特に企業向けのカスタマイズされたソリューションを提供しています

ARを活用したプロダクトやサービスを提供しており、特にビジネス向けアプリケーションの開発に強みを持っています。

AR仮想試着『VirtualFashion』

非上場・スタートアップ⑥株式会社エムソフト

エムソフトは、デジタルソリューションの専門企業で、最新技術を用いたサービスを提供しています。

ARを活用したコンテンツの開発に加えて、VRや3Dグラフィックスなどの技術も扱っており、企業のプロモーション用のARアプリケーションやイベントでの活用など、幅広い分野での実績があります。

上場企業①クラウドサーカス株式会社/ソリューション「LESSAR」「COCOAR」

クラウドサーカスは、企業向けに特化したAR・MRソリューションを提供する企業です。

特に企業のプロモーションやブランディング向けのAR・MRコンテンツ制作に強みがあり、クリエイティブな視点を活かしたサービス提供が特徴です。

ARアプリ「COCOAR」/ウェブAR「LESSAR」などのARマーケティングツールの開発・提供を行っています。

他にもVRやメタバース開発に強い会社をまとめた記事がありますので、気になる方はこちらをご覧ください。

最適なAR/MR開発会社の選び方3点

日本国内には数多くのAR/MR開発企業が存在しており、その中から最適な会社を選ぶためには、いくつかの重要な判断基準を理解する必要があります。

1.AR制作企業と、過去の実績・取り組み実績と自社の親和性を確認

選び方の第一歩として、開発会社がこれまでに手がけたプロジェクトの実績をチェックしましょう。

その会社がどのような業界向けののAR/MRコンテンツの開発に強いのか、どういった事例・効果創出を行ってきたのか、といった点を確認することで、その会社の技術力や専門性と自社ビジネスの親和性を確認できます。

例えば、教育用のアプリを開発してほしい場合、教育分野での豊富な実績がある会社を選ぶと良いでしょう。

2.開発技術力と、UI/UXやデザインの2軸での評価

AR/MR開発には、最先端の技術力だけでなく、ユーザーを引き込むクリエイティビティも必要です。

一方で、UIUXなどに特化している会社であれば、アプリケーションやシステム開発レイヤーまでは得意領域ではない可能性があります。

技術的な実力と、ユーザーエクスペリエンス・体験設計力の両方を持ち合わせているか、チェックしましょう。

3.まずは商談し、コミュニケーションやサポート体制を確認

開発力やデザイン性だけでなく、その会社のコミュニケーションやサポート体制も評価視点でしょう。

開発会社とのコミュニケーションがスムーズに行えるか、質問やトラブルに迅速に対応してくれるかも、選定の重要なポイントです。

ARやMRは専門性が高い領域であり、まったく業界知見がない企業担当者とも分かりやすい会話できるか、という点は導入や要件定義の際に「共通認識を取れるか」という点に影響するため、プロジェクトの成功に大きく左右します。

AR/MRの開発・導入や、導入後や保守サポートなど、長い視点でXRに取り組む場合は、自分たちのニーズに合った体制を提供してくれるのかを見極めましょう。

まずは一度、XR開発・導入について相談する

AR/MR開発を依頼する際に準備しておきたいこと

ここからは、開発会社に依頼する際の重要なポイントを4つ解説します。

1.導入の目的を、概要で良いので整理する

AR/MR技術の導入は、多くの場合「新しい取り組み」となります。

目的・課題の整理:解決したい課題は何か(売上向上、ブランディング向上、生産性の改善)という点だけでも明確にすることで

  • 選ぶべきソリューションやAR制作会社はどこか
  • どういう観点でAR制作会社を評価すべきか

が変わってきます。

たとえば、あなたの会社が教育分野で事業を展開している場合、以下の様に整理できます。

  • なぜ今のタイミングでARを活用したいのか→例:他の制作会社と差別化し、売上を向上したい
  • 現在の学習教材の課題は何か?→例:学生が受け身になりがちで、積極的に使おうと思わない
    → インタラクティブなコンテンツ制作や学習領域のXR活用に強みのある会社を選ぶ

という点を明確にするだけで、どういう会社に依頼するべきか、相談する中で明確になるでしょう。

2.自社の技術やインフラを把握しておく

AR/MR開発では、高度な計算処理能力や特定のセンサー、そしてそれを支えるインフラが必要となります。

例えば、MRでリアルタイムに物理世界とデジタルコンテンツを融合させる場合、強力なグラフィック処理能力を持つハードウェアや、高速なデータ通信環境が不可欠です。

自社でこれらの条件を満たせない場合、外部のクラウドサービスやパートナーシップを検討することが求められます。

このように自社の現状を正確に理解することが、現実的な開発計画を立てる上で重要です。

3.内部調整を行なって共通理解を持つ

AR/MRプロジェクトは、多くの場合、複数の部署や専門分野が関わるため、事前の内部調整が欠かせません。

例として、マーケティング部門が顧客エンゲージメントを高めるためのARアプリケーションを考えている場合、IT部門はその技術的実現可能性を、財務部門は予算面からの支持をそれぞれ提供します。

この段階で、各部門間で意見を交わし、共通の理解と目標に合意することが、プロジェクトのスムーズな進行を保証します。

4.予算とスケジュールを立てておく

AR/MRプロジェクトの予算編成とスケジュール計画は、特に注意が必要です。

これらの技術は進化が早く、開発中にも新しいツールやプラットフォームが登場する可能性があります。

予算を計画する際には、開発だけでなく将来のアップデートやメンテナンスコストも考慮する必要があります。

また、技術的な困難や市場の変化に柔軟に対応できるよう、スケジュールには余裕を持たせ、定期的なレビューを行うことが重要です。

これにより、プロジェクトの目標を達成しつつ、時代の変化に対応する製品を開発することが可能になります。

まとめ

AR(拡張現実)とMR(複合現実)技術は、ビジネスと日常生活に新たな可能性をもたらす革新的な分野です。

本記事では、これらの技術の基本、優れた開発企業の選び方、そして開発依頼の際の重要ポイントを解説しました。

AR開発会社を探している方は、まずはこちらからお問い合わせしてみてください。

まずは一度、XR開発・導入について相談する

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