3Dで顧客にプレゼンテーション|ARやバーチャル技術を活用した最新営業手法や事例を解説
近年、製造業や建設業、家具業界などを中心に3Dデータの活用が進んでいます。
製品設計時には3DCADで設計されるようになりつつあり、他にもモデリングデータ、3Dスキャンされたデータなど多くのデータが生まれています。
そういった3Dのデータは、営業や販促シーンにおいて、魅力的なプレゼンテーションをするためのツールとして利用することができます。
本記事では、3Dデータをベースに、VRやAR技術を活用した効果的なプレゼンテーション手法やその導入効果、事例などを解説していきます。
- 1. 基礎知識:3DとAR、VRの違いとは
- 1.1. 3Dデータとは
- 1.2. AR(拡張現実) とは
- 1.3. バーチャル(VR)とは
- 2. 3Dデータを活用したプレゼンのメリット
- 2.1. 1.パーツや機能の説明が分かりやすくなる
- 2.2. 2.実寸大で表示し、サイズや色合いが設置場所に合うかシミュレーションできる
- 2.3. 3.今ない仮想のデータで共通理解や関心を得られる
- 3. 営業・販促への具体的な3DやVR・ARの活用シーン3選
- 3.1. 1.営業・提案の際に3DやARでプレゼンする
- 3.2. 2.展示会・ショールームでその場にない製品をリアルタイムでプレゼンする
- 3.3. 3.保守・メンテナンスの際に製品説明に3Dで説明する
- 4. 3Dやバーチャル技術を活用したプレゼンテーションできるサービス
- 4.1. 製造業界向け3Dプレゼン・マニュアルツール「RITTAI MANUAL」(AR機能付き)
- 4.2. Prezi
- 4.3. マイクロソフトの3Dモデル機能
- 4.4. インテリア・住宅向け3D・VRプレゼンツール「RITTAI ROOM」
- 4.5. 「DNPバーチャルエクスペリエンス VRプレゼンゲートウェイ メタバース版」
- 5. まとめ
基礎知識:3DとAR、VRの違いとは
営業や販促の現場で革新をもたらしているのが、3DやAR・VR技術です。これらは製品やサービスを顧客に紹介する際に、従来の方法とは異なる体験を提供します。まずはそれぞれの違いについて解説します。
3Dデータとは
3Dデータとはその名の通り「立体的なデータ」で、通常の画像二次元ですが、一般的に3次元の画像をデータを3Dデータと呼びます。
その制作は大きく3通り存在します。
特に製造や建設業においては3DCADでの設計も一般化されつつあるため、それらのデータの二次活用先として検討できるのが営業や販促シーンです。
まずは3Dデータを見るための技術として、そのまま3Dで表示する以外にも、AR・VRがあります。
AR(拡張現実) とは
ARは、スマートフォンのカメラ越しに現実空間に3D データを表示させることで、(現実には無いはずのものが)あたかもそこに存在しているかのように表現する技術です。
AR主に家具・小売業界等で活用は進んでいます。
ソファ・チェアなどの家具をARで表示する「試し置き」によりユーザーが購入前に自宅でサイズ感を確認することができるため、オンラインストアやカタログにAR機能を導入するケースが増えています。
EC・カタログ向けのAR導入事例やサービスはこちら
→EC・実店舗におけるARの活用方法とは?導入メリットや事例を紹介!
また、建設業等においても、施工予定の3Dパースのデータを現実空間に表示することで工事を効率化する動きがあります。
バーチャル(VR)とは
バーチャル(VR)は、現実空間に3DCGを投影するARと異なり、360度すべて3DCGで構成されたビュワーを指します。
これは、ヘッドセットやPCを使用して、視覚的および聴覚的に現実から隔離された環境を提供することにより実現されます。
VRは現実空間と異なる世界・空間をユーザーに提供するため、製造・建設やサービス業などにおいて「作業現場・業務現場を体感し、トレーニングするツール」として活用されている他、VRを活用した観光体験などが提供されています。
参考記事→【2024年最新】VR・メタバースのビジネスへの導入・活用事例
では、3Dの立体的なデータやAR・VRを活用すると、どんな営業・販促手法が実現できるのでしょうか。
3Dデータを活用したプレゼンのメリット
製品を立体的に訴求できる3DやAR/VR技術。それらを活用すると、どういったプレゼンテーションを顧客に提供できるでしょうか。
1.パーツや機能の説明が分かりやすくなる
まず、顧客が製品のパーツや機能を理解やすいというのが最大の特徴です。
従来の画像や映像と異なり、常に製品を360度映し出すことができるため、「どこにどのパーツが付いているのか」「どのパーツがどういった機能を果たすのか」という点を訴求することができます。
画像出展:RITTAI MANUAL
2.実寸大で表示し、サイズや色合いが設置場所に合うかシミュレーションできる
まず、AR技術を使うと、製品を仮想的に現実の環境に配置し、実物大で表示することが可能になります。
よって、
- 顧客の工場・オフィスで製品をAR設置し、プレゼンする
- 小売店向けに、店舗での設置シミュレーションをリアルに行いプレゼンする
といった形で、ユーザーに対して「実際に購入・設置するとどうなるのかという」イメージを具体的に持たせることが可能なのです。
3.今ない仮想のデータで共通理解や関心を得られる
3DやVRは「今手元にはない、仮想の製品や空間」で提案することを可能です。
建設業界であれば、施工後のイメージを施主と事前にすり合わせることができたり、製造業界であれば製造予定の製品を顧客に対してプレゼンテーションすることができます。
以前であれば、あくまで「実際の製品ありき」での提案でしたが、3Dデータさえあれば実物がなくても顧客に提案したり、試作品をレビューしてもらうことができるのです。
営業・販促への具体的な3DやVR・ARの活用シーン3選
1.営業・提案の際に3DやARでプレゼンする
ここまでの説明で記載している通り、まずは顧客への製品提案時に利用できます。
立体的に表示できる3DやVRの特性や、製品を実寸大で表示できるARの特徴を活かし、顧客に対して没入感のある体験を提供することができます。
2.展示会・ショールームでその場にない製品をリアルタイムでプレゼンする
展示会場や自社のショールームで顧客に提案する際、製品の3Dデータさえあれば、在庫がなかったり、ショールームには置いていないような製品も顧客に提案できます。
リアルタイムで、顧客ニーズのある製品を、実際にその場にあるかのように表示して提案することができるのです。
3.保守・メンテナンスの際に製品説明に3Dで説明する
製品を顧客が導入した後に、使い方や故障時のメンテナンス方法を説明することがあるでしょう。
その際に、既存の紙や画像・動画などの二次元の資料だと見づらく、分かりづらい内容でも3D化することで飛躍的に確認しやすくなります。
「どのパーツをどう操作するのか」「どのパーツをどう修理するのか」をバーチャルで説明することで、顧客への説明時間の短縮や満足度向上につながるでしょう。
※関連記事:3Dマニュアル・手順書の作成と利用方法-技術継承や業務効率化ツールをご紹介
※関連記事:業界別・VR研修/訓練の最新事例|導入方法や費用・メリットを解説
3Dやバーチャル技術を活用したプレゼンテーションできるサービス
ここからは、プレゼンテーションの事例をご紹介します。
製造業界向け3Dプレゼン・マニュアルツール「RITTAI MANUAL」(AR機能付き)
株式会社Forgersが提供するRITTAI MANUALは、製造・半導体業界向けの営業・販促・教育支援ツールです。
※製品デモ:https://manual-dev.rittai-service.com/viewer/index.html?id=manual_uxqEWmRX1jlYguOOy3RbA
3Dデータや画像・動画を用いたデジタルマニュアルは、従来の紙の仕様書や手順書に比べ、分かりづらかった複雑な「組み立て手順」や「製品の機能」、「故障時の手順」などをパーツ別で分かりやすくまとめられます。
- 営業・プレゼンテーション
- 故障時のメンテナンス
- 社内の人材育成・訓練業務
など多くのシーンで利用することができます。
かつ、ARによる試し置き機能も搭載しており、お客様は工場や展示場などで、実際の製品を置く前に仮想的に製品を試し置きし、サイズ感や配置を確認することができます。
※製造・半導体業界向け電子マニュアルツール『RITTAI MANUAL』のHP:https://rittai-manual.forgers.co.jp/
その他のバーチャル(VR)のビシネス活用事例について知りたい方はこちら→2023年最新事例|VR・メタバースのビジネスへの導入・活用事例
Prezi
Preziは、プレゼンテーションツールとして知られていますが、AR技術を取り入れたことで、さらに革新的なプレゼンが可能になりました。
このツールを使うと、スピーカーが自らの周囲に仮想的なグラフィックやデータを表示させ、それらを指しながらプレゼンを行うことができます。
視覚的なインパクトが強く、複雑な情報も分かりやすく伝えられるため、観客の理解を深め、記憶に残るプレゼンが実現します。
マイクロソフトの3Dモデル機能
マイクロソフトは、プレゼンテーションソフトウェアに3Dモデルの取り込み機能を提供しています。
これにより、スライド内に直接3Dモデルを配置し、それを回転させたりズームインしたりすることが可能になります。
この機能は、製品の詳細を視覚的に示したい場合や、複雑な概念を分かりやすく説明したい場合に特に有効です。
ARのビジネス活用事例について知りたい方はこちら→2023年最新事例|AR・MRのビジネスへの導入・活用事例
インテリア・住宅向け3D・VRプレゼンツール「RITTAI ROOM」
株式会社Forgersが提供するRITTAI ROOMは、インテリア・住宅・リフォーム業界向けのバーチャル空間シミュレーションツールです。
ヒアリングをもとに部屋の間取りをバーチャル空間に再現し、簡単操作で家具の配置をシミュレーションすることができます。
高速・高画質で没入感のある体験を提供します。月額数万円から利用可能です。
「DNPバーチャルエクスペリエンス VRプレゼンゲートウェイ メタバース版」
VRプレゼンゲートウェイ メタバース版は、住宅用プレゼンテーションソフトのデータを短時間で高精細なVRに変換、Webブラウザで自由にウォークスルーできるサービスです。
このプラットフォームは、メタバース環境内での製品展示やプレゼンテーションを可能にします。
価格は150万円からとなっており、特に大規模なイベントや製品発表会での利用に適しています。
没入感のあるバーチャル環境で、製品の特徴や魅力を際立たせることができます。
DNPバーチャルエクスペリエンス VRプレゼンゲートウェイ メタバース版 ウェブサイト
まとめ
本記事では、営業と販促におけるAR(拡張現実)とバーチャル技術の有効性についてご紹介しました。
これらの技術は、製品やサービスの魅力をより効果的に伝え、顧客との関係を深める新しい方法を提供します。
今後もこの分野の進化は続き、営業や販促の方法に大きな変革をもたらすことが予想されます。