【3Dスキャンアプリの筆頭】iOS・Android両対応「Scaniverse」|使い方やほかのツールとの比較

近年、スマートフォンで手軽に3Dスキャンができるアプリが増えています。

その中でも、ScaniverseはiPhoneとAndroidの両方に対応し、高精度な3Dスキャンを実現する人気のアプリです。

今回はScaniverseの特徴や使用方法などを紹介します。

Scaniverseとは?iPhone・Androidで使える3Dスキャンアプリの特徴

Scaniverseの基本機能とは?

Scaniverseは、スマートフォンのカメラやLiDAR(iPhoneのみ)を活用して3Dスキャンを行い、高品質な点群データやメッシュモデルを生成できます。

また、点群データやメッシュモデルの生成はローカル上で行っているため、通信環境が不要かつクラウドにデータがアップロードされないセキュリティ面での安全度も高いです。

3Dスキャンで何ができるのか?

A car repairman performs wireless diagnostics of a car, scanning for errors and searching for breakdowns using a digital tablet on which a three dimensional model of the engine and problems.

3Dスキャンによって簡単に3Dのデータを作成することができるようになります。

そのため、以下のような使い方が考えられます。

  • 建築・インテリアデザイン:家具や部屋のスキャン
  • AR・VRコンテンツ制作:現実のものをメタバースやゲーム開発に再現する
  • 3Dプリント:スキャンデータを利用したモデリング
  • 教育・研究:歴史的遺物や生物の記録

Scaniverseの主な機能と使い方

Splatモードとメッシュモードの違い

Scaniverseには、スキャン方式としてSplatモードメッシュモードの2つがあります。

  • Splatモード:点群データをベースに、リアルなテクスチャを保持したスキャン結果を生成。細かいディテールを忠実に再現しやすいが、3Dソフトでの編集には制限がある。
  • メッシュモード:スキャンデータを3Dポリゴン化し、OBJやFBX形式で出力可能。ゲーム開発や3Dプリント用途に適しているが、テクスチャの精度はSplatモードに劣る。

用途に応じて適切なモードを選択することで、より高品質な3Dデータを活用できます。

点群データとメッシュデータの生成

スキャンしたデータは、点群データやメッシュデータとして保存できます。

これにより、BlenderやUnityなどの3Dソフトウェアと連携しやすくなります。

3Dモデルのエクスポート(OBJ、PLY、FBX、SPZ)

Scaniverseでは、スキャンしたデータをOBJ、PLY、FBXなどの形式でエクスポートできます。

これらのデータを出力することで他の3Dソフトウェアでの編集が容易です。

また、従来のPLY形式より90%サイズを削減できる3D Gaussian Splatting向けファイルフォーマット「SPZ」も対応しています。

https://scaniverse.com/news/spz-gaussian-splat-open-source-file-format

これにより、3DGSのデータをこれまで以上に簡単に利用できるようになります。

Scaniverseの撮影手順と撮影時のコツ

Scaniverseで3Dスキャンをする手順

  1. アプリを起動してスキャンモードを選択
    • Splatモードまたはメッシュモードを選択
  2. スキャン対象の準備
    • 明るい環境で、できるだけ影が少ない場所を選ぶ
    • スキャン対象物を動かさないように固定
  3. ゆっくりと移動しながらスキャン
    • 一定のスピードで対象物の周りを移動しながら撮影
    • 近すぎず遠すぎず、適度な距離を保つ
  4. スキャンデータの確認と修正
    • スキャン後、不要な部分を削除
    • テクスチャの調整やメッシュの修正を行う

撮影時のコツ

  • ライティングを意識する:自然光または均一な人工光を使用
  • 同じ場所を何度も撮影しない:一度撮影した場所は複数回撮影すると処理が重くなり、かつ重なった感じの出力になる場合がある
  • 背景をシンプルにする:不要な物が映らないようにする
  • 360度回りながら撮影:正確な形状を取得するため、全方位から撮影する
  • 動きは滑らかに:急な動きはデータの欠損を引き起こすため、スムーズに移動

ScaniverseのiPhone版とAndroid版の違い:機能と性能を徹底比較

iPhone版はLiDARスキャンに対応

iPhone Pro 12以降であれば端末にLiDARセンサーが載っているので、より精度の高いLiDARスキャンが実現できます。

LiDARスキャンによるメリットは、奥行きの正確なスキャンが可能になることと、より滑らかで高精度なメッシュデータを生成できることです。

iOS版とAndroid版の違い

ScaniverseにはAndroid版もありますが、iOS版とAndroid版では大きく以下の点が違います。

  • LiDAR非対応のため、通常のカメラベースのスキャン
  • 物体の形状やテクスチャの取得に特化

3Dスキャンアプリの進化と課題

昨今の3Dスキャンアプリの成長

近年、スマートフォンの性能向上に伴い、3Dスキャンアプリの精度が飛躍的に向上しています。

LiDAR技術の導入やAIによるデータ補完機能の強化により、より詳細なスキャンデータが取得できるようになりました。

また、クラウド連携によるスキャンデータの保存や共有機能も進化し、多くの分野での活用が広がっています。

現在の3Dスキャンアプリの苦手な部分

  • 動く物体のスキャンが困難:リアルタイムでスキャンするため、動いている対象のデータ取得が難しい。
  • テクスチャの精度:照明の影響を受けやすく、色味の再現性に課題がある。
  • スキャン時のデータ欠損:複雑な形状の物体や細かい部分が欠落しやすい。

今後改善される可能性がある点

  • AI補正の強化:スキャンデータの欠損部分を自動補完する技術の進化。
  • モーションキャプチャの統合:動く対象をリアルタイムでスキャンする技術の向上。
  • クラウド解析の強化:より高速で高精度なデータ処理が可能になる。

Scaniverseの活用・撮影支援なら株式会社Forgers

当メディア運営元・株式会社ForgersはNTTドコモやニトリをはじめ、多数の大手企業のXR開発や導入を支援しています。

Scaniverseを活用した3Dアプリの開発やRITTAI MANUALでの活用などをご支援しています。

少しでも気になる方は、無料で相談承っておりますのでぜひご相談ください。

Scaniverseと他の3Dスキャンアプリを比較

アプリ名LiDAR対応エクスポート形式使いやすさ無料版の制限
ScaniverseiPhoneのみOBJ, PLY, FBX高いなし
PolycamiPhoneのみOBJ, USDZ, PLY高いあり
WIDARiPhone・AndroidOBJ, USDZ中程度あり
MetascaniPhoneのみOBJ, PLY, FBX高いなし

Scaniverseは最新の3D再構築技術である、3D Gaussian Splattingの撮影もできます。

3D Gaussian Splatting記事:【3D Gaussian Splattingとは?】概念・撮影方法・メリットデメリットを徹底解説!

Scaniverseでの3Dスキャンの活用事例

建築・インテリアデザインへの応用

家具や部屋の3Dスキャンデータを活用し、リフォームや設計に利用。

派生して工場や倉庫の3Dスキャンすることで、事前の設置シミュレーションや動線確認などにも使えます。

AR・VRコンテンツ制作への活用

メタバースやVR空間にスキャンデータを取り込んで、リアルなオブジェクトを再現。

まとめ:Scaniverseで簡単に3Dスキャンを始めよう!

Scaniverseは、スマートフォンだけで手軽に3Dスキャンを行える便利なツールです。

今後のアップデートでは、Android版のさらなる機能強化、クラウド連携によるデータ保存、AIによるスキャン精度の向上が期待されています。

まずはScaniverseをインストールし、実際にスキャンを試してみましょう!

スキャンを重ねるごとに、その精度と使いこなし方が向上するはずです。

※関連記事:スマホやタブレットの3Dスキャンアプリを解説|iPad/iPhone/Androidや産業専用3Dスキャナーを幅広く紹介