【メタバース展示会とは】メリット・デメリット・おすすめのプラットフォームを解説!
VR/メタバース技術の台頭は、ビジネスの展示会・営業に革命をもたらしています。
この記事では、特にメタバース展示会について深く掘り下げ、その基本からメリット、デメリット、実践的な運用方法までを詳細に解説します。
- 1. メタバース/VR/ARの基礎知識
- 1.1. メタバースとは
- 1.2. VR(仮想現実)とは
- 1.3. AR(拡張現実)とは
- 2. メタバース展示会とは
- 3. メタバース展示会のメリット
- 3.1. 1.地理的な制約がなく、世界中どこからでもアクセスが可能
- 3.2. 2.参加費用が削減され、より多くの企業や個人が参加しやすくなる
- 3.3. 3.バーチャル空間でのインタラクティブな体験が、新しいビジネスチャンスを生み出す
- 3.4. メタバース展示会のデメリット
- 3.5. 1.高品質な体験を提供するためには高性能な機器と安定したインターネット環境が必要
- 3.6. 2.人と直接顔を合わせるコミュニケーションの温かみが失われがち
- 3.7. 3.セキュリティやプライバシーのリスクが高まる可能性がある
- 4. メタバースを活用した展示会の事例
- 4.1. 1.NEOKET(ネオケット)
- 4.2. 2.設計製造・AI・IoT・DX バーチャルオンライン展示会
- 5. メタバース展示会を自社開発する・他社サービスを使う場合の違い
- 5.1. 1.自社で開発する場合
- 5.2. 2.他社サービスを使用する場合
- 6. 最適なメタバースプラットフォームの選び方
- 6.1. 1.展示会の目的とターゲットに合ったプラットフォームを選ぶ
- 6.2. 2.安定した接続性と高い拡張性を持つプラットフォームを優先する
- 6.3. 3.セキュリティ対策がしっかりと整っているプラットフォームを選ぶ
- 7. おすすめメタバースプラットフォーム3選
- 7.1. 1.XR CLOUD
- 7.2. 2.ZIKU
- 7.3. 3.リプロネクスト
- 8. まとめ
メタバース/VR/ARの基礎知識
まずは、メタバース/VR/ARの基礎知識をおさらいします。
メタバースとは
メタバースの概念は、1992年のニール・スティーヴンスンの小説「スノウ・クラッシュ」に端を発します。
これは、現実とは異なる持続可能なデジタル環境であり、ユーザーはアバターを通じてこの世界に参加します。
「メタバース」は「超える(meta)」と「宇宙(verse)」を組み合わせた言葉で、「現実を超越した世界」を意味します。
ビジネス分野においてメタバースは、ブランディング、商品展示、顧客との新しいインタラクションの形態として利用されています。
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VR(仮想現実)とは
VR(バーチャルリアリティ)は、ユーザーが完全に仮想環境に没入できる技術です。
専用のヘッドセットを通じて、360度のバーチャル空間にアクセスし、現実とは異なる体験を楽しめます。
VR技術を活用することで、製品やサービスをよりリアルに、そしてインタラクティブに紹介することが可能になります。
具体的には、製品設計、医療訓練、不動産の内覧など、リアルな体験が求められる場面で活用されています。
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AR(拡張現実)とは
AR技術は、スマートフォンやタブレット、専用のARメガネを通じて、現実の環境にデジタル情報やオブジェクトを重ね合わせる技術のことです。
例えば、スマートフォンのカメラを通して見ると、画面上には実際には存在しないオブジェクトや情報が映し出されるのです。
ビジネスでは、実際の製品に仮想情報を重ねることで、より詳細な情報提供や体験を可能にします。これは、教育、小売、ゲーム業界など多岐にわたる分野で利用されています。
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メタバース展示会とは
メタバース展示会は、インターネット上の仮想空間で開催される新しい形式の展示会です。
従来の展示会に比べて、地理的な制約がなく、どこからでもアクセス可能であるため、企業やビジネスマンにとっては、コストを抑えつつ、グローバルな市場にアプローチする絶好の機会を提供します。
特に中小企業やスタートアップにとって、海外の投資家やパートナーとのリアルタイムでの交流が可能になることは、新たなビジネスチャンスを生み出す重要なポイントです。
メタバース展示会のメリット
従来の展示会と比較したときのメタバース展示会の主なメリットをご紹介します。
1.地理的な制約がなく、世界中どこからでもアクセスが可能
メタバース展示会の最大のメリットは、地理的な制約を完全に取り払うことです。
従来の展示会では、参加するためには会場までの移動が必要であり、これが大きなコストや時間の負担となっていました。
例えば、日本の企業がヨーロッパの展示会に参加しようと思ったら、飛行機のチケットや宿泊費、さらには移動に費やす時間のコストを考える必要があります。
しかし、メタバースを利用すれば、東京のオフィスからでも、ロンドンやニューヨークの展示会に瞬時に「移動」し、重要なビジネスの場に参加することが可能になります。
2.参加費用が削減され、より多くの企業や個人が参加しやすくなる
メタバース展示会は参加費用を大幅に削減します。従来の展示会の参加には、出展料だけでなく、交通費や宿泊費、さらには展示する製品や資料を運ぶための物流コストなど、さまざまな追加費用がかかります。
これが、特にスタートアップや中小企業にとって大きな負担となっていました。
メタバース展示会では、物理的な移動や物資の輸送が不要になるため、これらのコストを大幅に節約できます。
結果として、限られた予算内でより多くの展示会に参加し、自社の製品やサービスを世界中にアピールする機会が増えるのです。
3.バーチャル空間でのインタラクティブな体験が、新しいビジネスチャンスを生み出す
メタバース展示会では、参加者がバーチャル空間で製品を直接操作したり、デモを体験したりすることが可能です。
これにより、従来の展示会では得られなかった、インタラクティブで没入感のある体験を提供できます。
例えば、自動車メーカーが新型車のバーチャル試乗イベントを開催することで、世界中の参加者がリアルタイムで車の機能を体験し、質問やフィードバックを直接開発者に伝えることができます。
このようなインタラクティブな体験は、顧客との関係を深めるとともに、製品開発サイクルを短縮し、より速く市場に合った製品を生み出すことを可能にします。
メタバース展示会のデメリット
メタバース展示会が多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。
ここからは、メタバース展示会のデメリットについて解説します。
1.高品質な体験を提供するためには高性能な機器と安定したインターネット環境が必要
メタバース展示会をフルに活用するためには、高解像度のVRゴーグルや高速なインターネット接続が必要となります。
これらの機器や環境は、特に初期段階では高額な投資を必要とし、すべての参加者や企業が容易にアクセスできるものではありません。
また、技術の急速な進化により、機器がすぐに古くなってしまう可能性もあり、継続的なアップデートが求められるでしょう。
これにより、特に中小企業やスタートアップにとっては、参加のハードルが高くなる可能性があります。
2.人と直接顔を合わせるコミュニケーションの温かみが失われがち
バーチャル空間での交流は、多くの新しい可能性を開きますが、リアルな対面でのコミュニケーションには及ばない面もあります。
ビジネスの場において、握手や表情といった非言語的なコミュニケーションは重要な役割を果たしています。
メタバース展示会では、これらの細かな人間関係のニュアンスを完全には再現できません。
このため、新しいパートナーシップを築く場合や、信頼関係の構築においては、メタバースのみに依存するのではなく、実際に会って話す機会も重要となります。
3.セキュリティやプライバシーのリスクが高まる可能性がある
メタバース展示会は、データを大量に扱うため、セキュリティやプライバシーの問題が顕在化するリスクがあります。
参加者の動きや好み、個人情報がデジタル空間で収集され、これが不正アクセスやデータ漏洩の対象となる恐れがあります。
また、企業が展示する製品情報やビジネス戦略が漏洩することで、経済的な損失やブランドイメージの低下に繋がる可能性も考えられます。
このようなリスクを回避するためには、高度なセキュリティ対策が必要となりますが、これには相応のコストと技術が要求されるでしょう。
メタバースを活用した展示会の事例
ここからは、メタバースを活用した展示会の事例を2つご紹介します。
1.NEOKET(ネオケット)
ネオケットは、バーチャル空間で行われるピクシブ主催のオンライン即売会イベントです。
クリエイターとファンが同じ空間に集まりコミュニケーションを楽しむ即売会の醍醐味を、ご自宅から体験いただけるイベントです。
ひとつの島に同時に1000人が参加することができ、参加者はオリジナルの3Dアバターを使用することが可能です。
リアルな空間での即売会開催やコミュニケーションが取りにくいなか、創作の出口を増やすことに貢献しています。
2.設計製造・AI・IoT・DX バーチャルオンライン展示会
設計製造・AI・IoT・DX バーチャルオンライン展示会は、バーチャル3D空間を実際の展示会と同様に自由に歩いて情報収集ができるオンライン展示会です。
実際の展示会と同様、ブースにいるスタッフに製品について相談したり、資料を手に取ってみたり、持ち帰ることができます。
設計製造・AI・IoT・DX バーチャルオンライン展示会 ウェブサイト
メタバース展示会を自社開発する・他社サービスを使う場合の違い
メタバース展示会を開催するには、主に2つのアプローチがあります。
自社での開発と他社のツールを使用する方法です。以下では、これらの方法の特徴と考慮すべき点を詳しく見ていきます。
1.自社で開発する場合
自社でメタバース展示会を開発する場合は、完全なカスタマイズとブランドの独自性を実現できることが魅力です。
企業は独自の仮想空間をゼロから構築し、特定のニーズや目的に合わせて展示会をカスタマイズできます。
しかし、これには高度な技術力と相応の時間、そして開発コストが必要です。また、継続的なメンテナンスやアップデートも自社で行う必要があります。
自社開発は、リソースと技術的な専門知識を持つ大企業やテクノロジー企業に適しています。
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2.他社サービスを使用する場合
既存のメタバースプラットフォームやツールを利用する方法は、導入の敷居を大幅に低減します。
多くのプラットフォームは、ユーザーにとってわかりやすいインターフェースと事前に設計されたテンプレートを提供し、技術的な専門知識がなくても展示会を容易に構築できます。
この方法は、コストと時間の節約にもつながりますが、カスタマイズの自由度は自社開発に比べて限られる可能性があります。
中小企業やリソースが限られている企業にとって、この方法は特に魅力的です。
最適なメタバースプラットフォームの選び方
市場には様々なメタバースプラットフォームが存在するため、どれを選べば良いか混乱するかもしれません。
ここからは、最適なメタバースプラットフォームの選び方を解説していきます。
1.展示会の目的とターゲットに合ったプラットフォームを選ぶ
メタバース展示会を成功させるためには、まず展示会の目的とターゲットオーディエンスを明確にすることが大切です。
例えば、テクノロジー業界のプロフェッショナルを対象とした展示会であれば、最新のVR技術を駆使した高度なインタラクションが可能なプラットフォームが望ましいでしょう。
一方で、一般消費者向けの製品紹介が目的であれば、操作が簡単でアクセスしやすいプラットフォームを選ぶ必要があります。
ターゲットに合ったプラットフォームを選ぶことで、参加者の満足度を高め、展示会の目的を効果的に達成することができます。
2.安定した接続性と高い拡張性を持つプラットフォームを優先する
メタバースプラットフォームを選ぶ際は、安定した接続性と高い拡張性を持つものを優先しましょう。
参加者が世界中どこからでもスムーズにアクセスでき、途中で接続が切れることなく展示会を楽しめることが重要です。
また、将来的に展示会の規模が拡大したり、新たな機能を追加したい場合に備えて、プラットフォームが柔軟に対応できるかどうかもチェックしましょう。
例えば、バーチャルブースの数を増やしたり、参加者同士のコミュニケーション機能を強化するなど、展示会の内容に応じてカスタマイズ可能なプラットフォームが理想的です。
3.セキュリティ対策がしっかりと整っているプラットフォームを選ぶ
メタバース展示会では、企業が製品情報やビジネス戦略を公開するため、セキュリティ対策が万全のプラットフォームを選ぶことが極めて重要です。
参加者の個人情報保護はもちろん、展示内容が不正に外部に漏洩しないよう、データの暗号化やアクセス制御など、高度なセキュリティ機能を備えたプラットフォームを選びましょう。
また、不正アクセスやデータ漏洩が発生した際の対応策も確認しておくと安心です。
信頼性の高いプラットフォームを選ぶことで、参加者と出展者双方が安心して展示会に参加できる環境を整えることができます。
おすすめメタバースプラットフォーム3選
メタバース展示会を開催する際に選択可能な主要なプラットフォームはいくつかありますが、ここでは「XR CLOUD」、「ZIKU」、「リプロネクスト」という3つのプラットフォームに焦点を当て、それぞれの特徴を紹介します。
1.XR CLOUD
monoAI technologyが提供する「XR CLOUD」は、①高度なカスタマイズ性、②数万人規模の同時接続、③PC・スマホで手軽にアクセスが可能という特徴を持つメタバースプラットフォームです。
自由に仮想空間をデザインし、多様なインタラクティブな要素を組み込むことができます。
元々ゲーム開発会社だったこともあり、ミニゲーム機能の実装も得意で、リアルタイムでのコミュニケーションが充実しています。
安価で利用できるテンプレート空間(100万円〜)も多く揃えているため、メタバースを初めて導入する企業にもおすすめです。
2.ZIKU
ジクウが提供する「ZIKU」は、使いやすさとアクセシビリティに重点を置いたプラットフォームです。
直感的な操作性とシンプルなインターフェースにより、技術的な知識が限られたユーザーでも容易に展示会を構築できます。
また、音声による話しかけが可能で、積極的な勧誘により、来場者との商談機会を増やすことができます。
ブース 1コマが15万円、来場者1000人の枠ごとに20万円という価格設定になっています。
3.リプロネクスト
「リプロネクスト」は、特にリアルな3D空間の再現に優れたプラットフォームです。
高品質なグラフィックスとリアルタイムレンダリング技術により、実際の展示会場のような体験を提供します。
企業イベント・音楽ライブ・観光案内など幅広いシーンで活用されています。
また、データ分析ツールが充実しており、来場者の行動分析や効果測定に役立ちます。リアルな体験をデジタルで再現したい企業に適しています。
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まとめ
この記事では、メタバース展示会の基本から、そのメリットとデメリット、おすすめのプラットフォームまで詳しく解説しました。
この記事が、メタバース導入を検討する際の参考になれば幸いです。