【住宅・リフォーム業界のAR・VR・メタバース】導入メリットや事例を紹介!

近年、住宅・リフォーム業界では、革新的なAR/VR/メタバース技術の活用が注目を集めています。

AR・VR・メタバース技術がもたらす新たな可能性は、顧客体験の向上から業務効率化まで、業界全体に大きな変革をもたらしています。

この記事では、そんな住宅・リフォーム業界におけるAR・VR・メタバースの活用事例とそのメリット、さらには導入の際のポイントについて詳しく解説します。

AR/VR/メタバースの基礎知識

まず、各技術の特徴と住宅・リフォームでの活用シーンを整理した表をご覧ください。

技術特徴住宅・リフォームでの活用シーン
AR実際の環境にデジタル情報を重ね合わせる技術。リフォーム前後の比較、家具や装飾品の配置シミュレーション。
VR完全に仮想化された環境に没入する技術。仮想空間での住宅設計、リフォームプランの確認。
メタバース持続可能で相互接続された仮想空間のネットワーク。仮想住宅展示、オンラインでのリフォーム相談や商談。

AR (拡張現実)とは

AR技術は、現実世界にデジタル情報を重ね合わせることで、リアルな体験に仮想的な要素を加えます。

住宅・リフォーム業界では、ARを利用して、実際の空間に仮想的な家具や装飾品を配置し、リフォーム前後のイメージを顧客に提供することが可能です。

VR (仮想現実)とは

VR技術は、ユーザーを完全に仮想化された環境に没入させる技術です。

住宅・リフォーム業界でのVRの活用は、顧客が仮想空間内で自分の家の設計を体験し、リフォームのプランを詳細に確認できる点にあります。

メタバースとは

メタバースは、複数の仮想世界が連携して構成される、広範なネットワーク空間を指します。

住宅・リフォーム業界では、メタバースを利用して、オンライン上での住宅展示やリフォーム相談、さらには商談を行うことができます。

住宅・リフォーム業界が抱える課題をAR/VR/メタバースで解決可能

AR/VR/メタバースを活用することで、従来とは一線を画したサービスを提供することができます。

以下、AR/VR/メタバースを活用する魅力を3つのポイントでご紹介します。

1.顧客の持つイメージを具体的にビジュアル化し、満足度を高めることができる

住宅やリフォームのプロジェクトでは、顧客が持つ具体的なイメージと、実際に提供できるサービスとの間にしばしばギャップが生じます。

顧客はしばしば、自分の頭の中に描いた理想の家やリフォームのイメージを言葉で表現するのが難しいです。

これにより、設計者や業者は顧客の要望を正確に把握し、それを形にする必要があります。

この不一致は、プロジェクトの遅延や顧客の不満につながることがあり、業界全体の課題となっています。

ここで、ARやVRを使用することで、顧客が持つ抽象的なイメージを具体的なビジュアル化が可能になります。

例えば、AR技術を用いて、実際の空間に仮想的な家具や装飾品を配置し、リフォーム後のイメージをリアルタイムで見せることができます。

また、VRを使えば、顧客はまだ存在しない新築住宅やリフォーム後の空間を仮想的に歩き回り、細部に至るまで確認することができます。

これにより、顧客はリフォームや建築のプロセスをより理解しやすくなり、最終的な結果に対する満足度が高まります。

2.地理的制約を超えてコミュニケーションが取れるため、プロジェクト進行がスムーズになる

リフォームや新築のプロジェクトでは、多くのステークホルダーが関わり、複数の段階を経て進行します。

このため、効率的なプロジェクト管理とコミュニケーションが極めて重要です。

しかし、異なる専門分野の関係者が関与するため、意思疎通の誤解や情報の非効率的な伝達が生じることがしばしばあります。

これは、プロジェクトのコスト増加や納期の遅れにつながる可能性があり、業界全体の課題となっています。

この課題に対し、AR/VR/メタバースの導入により、プロジェクトの管理とコミュニケーションが効率化されます。

例えば、VRを利用して共有する仮想空間では、設計者、施工者、顧客が同じ環境の中で情報を共有し、意見交換が可能になります。

これにより、リアルタイムでの調整や迅速な意思決定が行え、プロジェクトの進行がスムーズになります。

また、メタバース内での会議やプレゼンテーションは、地理的な制約を超えたコミュニケーションを可能にし、より多くのステークホルダーの参加を促進します。

3.独自の顧客体験によって他の企業と差別化できる

現在の住宅・リフォーム業界は、多くの企業が参入し、競争が非常に激化しています。

この競争の中で生き残るためには、他の企業との差別化が不可欠です。

顧客のニーズや好みは多様化しており、単に標準的なサービスを提供するだけでは、市場での優位性を確立することは難しくなっています。

差別化するためには、独自のサービスや技術、顧客体験の提供が必要となり、業界全体がこの課題に取り組んでいます。

この課題に対し、AR/VR/メタバースを活用することで、住宅・リフォーム業界において他社との差別化が可能になります。

例えば、メタバース上での住宅展示は、顧客が自宅からでも様々な住宅オプションを体験できるため、新しいマーケティング手法として注目されています。

また、ARを活用したインタラクティブなカタログや、VRを用いたカスタマイズ可能な仮想住宅ツアーなど、独自の顧客体験を提供することで、他社との差別化を図り、ブランドの魅力を高めることができます。

これらの技術を駆使することで、業界内での競争力を大幅に向上させることが可能です。

住宅・リフォーム業界でのAR・VR・メタバース活用事例6選

ここからは、実際のAR・VR・メタバース活用事例を6つご紹介します。

ニトリも導入!インテリア・住宅・リフォーム業界向け3D空間シミュレーションツール「RITTAI ROOM」

3D・VR/AR開発スタートアップ・株式会社Forgersは最新のXR技術を搭載したインテリア・住宅・リフォーム業界向け3D空間シミュレーションツール「RITTAI ROOM」を展開しており、先日ニトリ社も導入を発表しました。

※ニトリのリリースはこちら

このサービスでは、以下のような手軽に操作できるシミュレーション画面を使って間取りを作成し、インテリアを配置することで、3D空間を作り上げることができます。

上記のような画面で制作した空間は「高精細VRビューモード」で高画質レンダリングされた状態で視聴することができるため、ユーザーに対してよりリアルに空間のイメージを伝えられる点が強みです。

また、Forgers社は、ニッセン・イトーキなどにも提供しているオンライストア・カタログ向けのAR・3Dサービス「RITTAIも開発・運営しており、RITTAI・RITTAI ROOM間で統合的なデータの管理・利用が可能、という点も特筆すべきでしょう。

RITTAI ROOMのURL:https://rittai-room.forgers.co.jp/

2.株式会社LIXIL – ARリフォームシミュレーション「Digital Room AR」

「Digital Room AR」は、LIXIL Corporationが提供する、住宅リフォームのARシミュレーションツールです。

このサービスを使うことで、ご自宅のトイレ、キッチンなどにLIXILの商品を3Dイメージとして重ねて設置し、リフォーム後のイメージを簡単に確認することが可能です。

具体的には、アプリを通じて、トイレやキッチンの空間に、洗面化粧台やインテリア建材、玄関ドア、カースペース、ガーデンスペースなど、幅広いLIXIL商品の3Dモデルを仮想的に配置し、リフォーム後の姿を視覚化します。

さらに、このサービスの魅力は、複数の商品を同時に配置して、自宅のイメージに合わせたコーディネートを楽しめる点にあります。

実際の空間に仮想的な製品を配置することで、色やデザインが実際の家の雰囲気に合うかどうかを確認できます。

また、気に入ったデザインはカメラ機能を使って写真に撮影し、保存することができます。

これにより、家族や友人とイメージを共有したり、リフォームの検討材料として活用することが可能になります。

Digital Room ARのダウンロードはこちら

3.メガソフト株式会社 – 3D住宅デザインソフト「3Dマイホームデザイナー14」

出典:メガソフト

「3Dマイホームデザイナー14」は、メガソフト株式会社が提供する家庭向け住宅デザインソフトです。

このソフトウェアは、自宅のリフォームや新築の計画を立てる際に非常に役立ちます。

マウス操作で簡単に間取りを作成し、1クリックで立体化することができます。内外装や住宅設備、家具や小物類を配置して、完成イメージを作り上げることが可能です。

さらに、日当たりや収納量のチェック、光熱費の試算などの機能も搭載されています。

特に注目すべきは、ロフトやドライエリア、ウッドデッキ、三方パラペット屋根など、流行りの設計要素を簡単に作図できる新機能の追加です。

また、最新の家具や住宅設備、家電などの新3D素材も収録されており、よりリアルで詳細なデザインが可能になりました。

これにより、ユーザーは自分の理想とする家づくりを、より具体的にビジュアル化できます。

3Dマイホームデザイナー14の詳細はこちら

4.JIBUN HAUS.株式会社 – クラウド型住宅プレゼンテーションツール「WARP HOME」

出典:WARP HOME

「WARP HOME(ワープホーム)」は、JIBUN HAUS.株式会社が提供するクラウド型住宅プレゼンテーションツールです。

このツールは、全国の工務店や住宅メーカーに向けて、営業マンによる説明のムラやDX化における制約など、住宅営業が抱える課題を解決するために開発されました。

このツールを使うことで、住宅販売の新人やプレゼンが苦手なスタッフでも、施工事例や商品・建物データを簡単に整理し、美しいビジュアルで顧客に説明できます。

また、ARを使った敷地見学機能、VRを使ったバーチャル内覧機能、土地・建築自動マッチング機能、営業力をサポートする建物プレゼン機能などが搭載されています。

新しい「建物WEB UP」機能により、工務店や住宅メーカーは自社の物件データ一覧をWEBページに簡単にアップロードできるようになりました。

これにより、お客様はいつでも、どこでも魅力的な施工事例や物件情報を確認でき、家選びのプロセスが大幅に効率化されます。

「WARP HOME」の導入により、工務店や住宅メーカーは営業プレゼン力とツールを強化し、お客様はより快適で効率的な住まい選びができるようになるという大きなメリットがあります。

WARP HOMEの詳細はこちら

5.株式会社VR住宅公園 – VR住宅展示場プラットフォーム「HOUPARK」

「HOUPARK」は、株式会社VR住宅公園が運営する3DCGを活用したインターネット上のVR住宅展示場プラットフォームです。

このサービスは、新型コロナウイルスの影響で変化する生活様式に対応し、注文建築の検討をオンラインで行う需要に応えるために設計されています。

「HOUPARK」では、写真品質の高い3DCGを使って、出展会社のオリジナルモデルハウスをアプリ不要で内覧できます。

従来の住宅展示場への出展に比べ、圧倒的に低コストで提供されるため、多くの工務店やビルダーにとって非常に魅力的なプラットフォームとなっています。

さらに、解説動画挿入機能により、具体的なプレゼンテーションが可能になり、営業効果が直結するものと期待されています。

また、GoogleやYahoo!などでの広告宣伝により集客を図ることができ、新しい顧客層の獲得も期待できます。

HOUPARKの詳細はこちら

6.株式会社ARKLET – メタバース住宅展示場「Metavuild」

出典:PANORA

「Metavuild」は、株式会社ARKLETが開発した、設計データからメタバース展示場を作成できるシステムです。

このシステムは、従来の住宅展示場に比べ、大幅なコスト削減を実現し、ハウスメーカーや工務店が気軽にメタバース上で住宅展示場を出展することを可能にします。

Metavuildの最大の特徴は、設計で使用されるデータからわずか5分で仮想空間での展示が可能になることです。

ハウスメーカーや工務店の担当者は、管理者画面から対象となるファイルをアップロードするだけで、建築物がワールドに逐次的に生成されます。

これにより、CG制作を外注に依頼するコストを大幅に削減できると同時に、短時間での展示場の構築が可能になります。

また、MetavuildはPCやスマホからログインなしで入場可能であり、利用者はダウンロードすることなく気軽にメタバース住宅展示場を体験できます。

さらに、日照のシミュレーション機能も搭載されており、時刻に応じて太陽の位置が変化し、実際の居住空間の日照状況をシミュレーションできます。

Metavuildの詳細はこちら

住宅・リフォーム業界でAR・VR・メタバースを導入する際の課題点・検討事項

住宅・リフォーム業界でAR・VR・メタバースを導入する際には、以下の3つの重要な課題点と検討事項があります。

1.費用対効果を慎重に検討する

AR・VR・メタバース技術の導入は、初期投資が高額になる可能性があります。

例えば、高品質なVR機器や、ARアプリケーションの開発には相応のコストが必要です。

さらに、これらの技術を効果的に活用するためには、従業員のトレーニングやサポート体制の整備も必要です。

住宅・リフォーム業界では、これらのコストに対して、どの程度のリターンオンインベストメント(ROI)が見込めるかを慎重に評価する必要があります。

特に、小規模な事業者の場合、このコスト対効果のバランスが特に重要になります。

2.ユーザーの操作感や体験を考慮した設計を心がける

AR・VR・メタバースのツールを導入する際、ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化は重要な検討事項です。

顧客がこれらの新しい技術を快適に利用できるよう、直感的で分かりやすいUIの設計が必要です。

例えば、VR住宅ツアーでは、ユーザーが仮想空間内で自然に動き回れるようなインターフェースの設計が求められます。

また、ARを用いたリフォームプレビューでは、リアルタイムでの変更やカスタマイズが簡単に行えるようなUXが重要です。

これらの技術を最大限活用するためには、ユーザーの操作感や体験を考慮した設計が不可欠です。

3.プライバシーとセキュリティ対策を万全にする

AR・VR・メタバース技術の導入にあたっては、プライバシーとセキュリティの問題も重要な検討事項です。

特に、顧客の住宅に関するデータや、リフォームに関わる個人情報は慎重に取り扱う必要があります。

これらの情報が外部に漏洩した場合、顧客の信頼を失うだけでなく、法的な責任問題にも発展する可能性があります。

そのため、データの暗号化やセキュリティプロトコルの確立、従業員のプライバシー保護に関する教育など、情報保護に関する厳格な対策を講じることが不可欠です。

今後の住宅・リフォーム業界でのAR・VR・メタバース活用の展望

住宅・リフォーム業界におけるAR・VR・メタバースの活用は、今後さらに進化し、新たな可能性を開拓することが予想されます。ここでは、以下の2つの展望をご紹介します。

1.住宅の構造・インテリア・配色を自由に設計可能になる

将来的には、メタバースを活用して、顧客が自分だけの完全カスタマイズ可能な住宅体験ができるようになることが期待されます。

例えば、顧客はメタバース内で、自分の理想とする住宅の構造、インテリア、配色などを自由に設計し、リアルタイムでその変更を反映させることができます。

さらに、これらの仮想住宅は、実際の建築プロジェクトにダイレクトに反映させることも可能になり、顧客の夢を現実のものに変えることができるようになります。

この技術は、顧客の創造性を刺激し、よりパーソナライズされた住宅体験を提供します。

2.最適なリフォームプランをAIが提案してくれる

AR・VR技術と人工知能(AI)の統合により、よりスマートで効率的なリフォームが実現可能になります。

AIは、顧客の過去の好みや行動パターンから学習し、最適なリフォームプランを提案することができます。

例えば、顧客が過去に「ナチュラルモダン」のスタイルを好んだ場合、AIはこの情報を基に、リフォーム計画において同様のデザイン要素を推薦します。

また、VR技術を利用して、これらの提案されたデザインを顧客が仮想空間で体験できるようになります。

このように、AIとAR・VRの融合により、より個人に合わせた、効果的なリフォームプランが提供されることになります。

まとめ

この記事では、住宅・リフォーム業界におけるAR/VR/メタバースの基礎知識、業界が直面する課題、そしてこれらの技術導入によるメリットについて解説しました。

さらに、導入時の課題点や検討事項、将来的な展望についても考察しました。

これらの技術は、顧客体験の向上、効率的なプロジェクト管理、独自性のあるサービス提供など、住宅・リフォーム業界において革新的な変化をもたらすことが期待されています。

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