【空間コンピューティング】Apple Vision Proの特徴・できることを解説!

2024年2月2日、ついに米国でAppleのゴーグル型デバイスVision Proが発売されました。

Vision Proは、現実とデジタルの世界を結びつける全く新しい「空間コンピューティング」として多くの注目を集めています。

この記事では、AR/MR産業の本命とも言えるVision Proでできること、特徴、購入する時の注意点など1つ1つ解説していきたいと思います。

※この記事は2024年1月23日時点の情報をもとに書かれたものです。

Vision Proとは

Vision Proは、Appleが開発者向けカンファレンスWWDC2023で発表したゴーグル型デバイスです。

PCやスマートフォンに代わる新たな「空間コンピューティング」として位置づけられており、日常生活における多様なシーンでの活用が期待されています。

Appleが発表の際にAR・MR・VR・XRといった言葉を使用していないことから、従来のVR/ARヘッドセットとは一線を画す存在であることが伺えます。

この革新的なゴーグル型ヘッドセットは、スタンドアロンで動作するため、外部機器との接続は不要です。

価格は3,499ドル(約50万円)となっており、2024年2月に米国で販売、他の60以上の国と地域でも年内に販売される予定です。

2024年2月2日追記:2024年1月のCES2024にて、XREAL社も新たな「空間コンピューティング」として「XREAL Air 2 Ultra」を発表しました。

「XREAL Air 2 」についてさらに知りたい方はこちら↓

Vision Proでできること

Vision Proには、映像と音響を通じた圧倒的なエンターテインメント体験、高効率のデスクワーク、リアルなゲーム体験、そして3Dカメラによる新しい映像体験など、さまざまな機能が搭載されています。

このセクションでは、これらの機能について具体例を交えながら詳しく説明します。

1.3D映像や横幅30mの大画面での映像体験

Vision Proを使用することで、3D映像や横幅30m相当の大画面で映画を楽しむことができます。

例えば、ユーザーは自宅にいながら、映画館のような没入感を体験できるでしょう。

また、スポーツイベントを観戦する際には、まるでコート上にいるかのようなリアリティを実感できます。

この臨場感ある映像体験は、後述する空間オーディオ技術によってさらに高められています。

2.仮想マルチスクリーンでデスクワークが効率化

Vision Proでは、複数のアプリケーションを同時に開き、それぞれのスクリーンのサイズや場所を自由に配置できます。

例えば、ビジネスシーンでは、複数のドキュメントを同時に開きながら、効率的に作業を進めることが可能です。

これにより、従来の単一スクリーンでの作業と比較して、生産性が大幅に向上します。

3.没入度の高いゲーム体験

Apple Vision Proでは、Apple Arcadeに含まれる100種類以上のiPad用ゲームを楽しむことができます。

Bluetoothコントローラーを用いて、従来のゲーム体験とは一線を画す没入感のあるプレイが可能です。

例えば、スポーツゲームをプレイする際、まるで選手が目の前に存在するかのように完全に没入する体験をすることができます。

4.目の前の出来事を3Dで記録できる「3Dカメラ」

Vision Proに搭載された3Dカメラを使用すると、ユーザーの目の前で起きるシーンをリアルタイムで録画できます。

たとえば、子供が初めて歩いた瞬間や、特別な家族のイベントを3Dで記録し、後でその場にいるかのように体験できます。

これは、記憶に残る瞬間をよりリアルに保存し、再体験することを可能にします。

以上の機能により、Apple Vision Proは、日常生活やビジネス、エンターテインメントに革命をもたらすことが期待されています。

Vision Proのスペックに関する特徴

このセクションでは、重量とバッテリー持続時間、ディスプレイの特性、空間オーディオシステム、リアルタイムセンサー技術、そして処理チップの性能について詳しく説明します。

1.重量とバッテリー

Apple Vision Proの重量は約450gで、外付けバッテリーによって軽量化が実現されています。

この重量は、長時間の使用でも比較的快適な装着感を提供します。しかし、一部のユーザーからは、長時間の使用による疲労感や持ち運びの不便さに関する声もあります。

また、バッテリーは最大2時間の持続時間を提供し、ユーザーが外出先でも安心して使用できるよう設計されています。

電源に接続すれば連続使用も可能で、家庭やオフィスでの長時間利用にも対応しています。

2.軽くて鮮明なディスプレイ

Vision Proは高解像度のマイクロOLEDディスプレイを採用しており、片眼で4K以上の解像度を実現しています。

これにより、ユーザーは非常に鮮明でリアルな映像を体験できます。また、この高画素密度のディスプレイは、従来のOLEDよりも小型化されており、軽量化にも寄与しています。

優れたコントラストと応答速度は、VR体験における映像品質を大きく向上させ、よりリアルな映像体験を可能にします。

3.リアルなサウンド体験を可能にする空間オーディオシステム

Vision Proの空間オーディオシステムは、デュアルオーディオドライバーポッドを採用しており、部屋の構造や素材に応じて音響特性を分析し、最適なオーディオ体験を提供します。

これにより、映画鑑賞やゲームプレイ時にリアルなサウンド体験が可能となり、より高い没入感を実現します。

どのような環境でも、ユーザーは最高のオーディオ品質を体験できます。

4.ジェスチャー入力を支えるリアルタイムセンサー技術

Vision Proは、ユーザーの頭部や手の動きをリアルタイムでトラッキングすることができます。

これは、多数のセンサーやカメラ、そして後述するR1チップによって実現されており、コントローラーを必要としない直感的な操作が可能です。

この技術により、ユーザーは自然な動きでVR環境を操作でき、より没入感の高い体験が可能となります。

5.快適な体験を実現する2つの処理チップ

Vision Proは、M2チップとR1チップを搭載しており、これにより情報処理を高速かつ低温で静かに行います。

R1チップとは、新たに登場した半導体チップです。高度なセンサー処理能力を持っており、超低遅延のストリーミング処理を実現します。

具体的には、Vision Proに搭載された12台のカメラ、5つのセンサー、6つのマイクからの入力を処理して、デジタルコンテンツをリアルタイムで反映します。入力処理から反映までの時間は、目の瞬きの8倍の速さである12ミリ秒以内ということに驚きです。

M2チップは対発熱に優れており、VisionProの静音動作を実現します。MacBook Airにも採用されており、単体でも高いパフォーマンスを可能にします。

このデュアルチップ構成により、ユーザーはXR酔いを感じることなく、快適なVR体験を楽しむことができます。

Vision Pro スペックまとめ

Vision Proのスペックをまとめた表がこちらになります。

価格3,499ドル(約50万円)
発売日2024年2月2日(米国)、年内にその他の国でも発売予定
重量450g
バッテリー1度の充電で最大2時間の持続時間
解像度4Kテレビ並み
視野角約90度
オーディオ周囲の空間に合わせて最適な立体音響を提供
カメラ3Dカメラによって目の前に存在するかのような写真・動画の撮影が可能
操作方法指、視線、音声による直感的な入力
センサー高性能センサーにより、正確で遅延のない体験が可能
処理性能2つの高性能チップにより、低音で静かに高速処理が可能

Vision Proの特徴

ここからは、Vision Proの7つの特徴について解説します。

1.空間コンピューティング専用の新たなVision OS

Vision Proに搭載されたVision OSは、空間コンピューティングを実現するために特別に設計されたオペレーティングシステムです。

このOSは、リアルタイムレンダリングエンジンを利用して、部屋の照明やオブジェクトの配置に応じたリアルタイムの影の調整を行います。

これにより、ユーザーは部屋のどこにいても、リアルな3Dオブジェクトとインタラクションでき、通常の2Dスクリーンでは不可能な没入感を体験できます。

また、このOSは、従来のデスクトップやモバイルデバイスでは実現できなかった新しいタイプのアプリケーションや体験を開発する土台となります。

2.直感的な操作インターフェース

Vision Proは、目線、手の動き、音声操作を通じて、直感的かつ快適な操作を実現します。

目でアプリを見るとハイライト表示され、親指と人差し指を合わせることでクリック操作が可能です。

視界の下部にあるバーを目で見て、ジェスチャーでタップし、移動させることで、アプリのウィンドウを好きな場所に配置することもできます。

これにより、ユーザーはマウスやキーボードに頼ることなく、自然な動作でデバイスを操作できます。

3.自在に配置可能な仮想スクリーン

Vision Proでは、ユーザーは自分の周囲の空間に仮想スクリーンを自由に配置できます。これは特にビジネスやエンターテイメントにおいて革新的です。

例えば、映画を見る場合、大画面を設定し、まるで映画館にいるかのような体験が可能です。

仕事では、複数のスクリーンを配置し、複数のアプリケーションを同時に表示させることで、効率的なマルチタスキングを実現します。

4.没入度を調整するDigital Crown

Vision ProのDigital Crownは、バーチャル空間への没入度を調整するための革新的な機能です。

時計回りに回すと、VR体験が強化され、反時計回りに回すと、元の世界に戻ります。

これにより、ユーザーは、完全な没入感から部分的な現実感まで、自分のニーズや状況に応じて体験をカスタマイズできます。

5.周囲とのコミュニケーションを取りやすくするEyeSight機能

EyeSight機能は、ヘッドセットを装着しているユーザーと周囲のコミュニケーションを維持するための技術です。

これにより、外部から見たときに、装着者がどの程度周囲の状況を認識しているかが分かり、周囲の人々とのコミュニケーションが容易になります。

特に、没入度を高めた状態での使用時には、目元が隠れ、周囲の人々に対して、装着者が集中していることを伝えることができます。

また、近くに人が来た場合は、その人の「いるべき場所」がゆっくりと明るくなり、空間上にその人の姿が見えてきます。

これにより、従来のヘッドマウントディスプレイの課題である「外部から使用者の状況がわからず、周囲とコミュニケーションを取りづらい点」が解決される可能性があります。

6.虹彩認証Optic ICによるセキュリティ対策

Vision Proに搭載されたOptic ICは、虹彩認証を用いて、高度なセキュリティを提供します。これにより、ユーザーはデバイスをかけるだけで、自動的に安全な認証が完了します。

この技術は、個人のプライバシーを保護し、セキュリティリスクを最小限に抑えるために非常に重要です。

7.装着したままのビデオ通話を可能にするPersona機能

FaceTime通話時のPersona機能は、Apple Vision Proの中でも特に注目される機能の一つです。

この機能は、Vision Proを装着したままでFaceTime通話に参加する際、装着者の顔をキャプチャーし、機械学習を使って生成した「自分のリアルな姿」を通話相手に表示します。そして、Vision Pro内蔵の視線追尾機能を活用することで、通話中の目線や表情がリアルタイムで再現されます。

これは、リモートワークやオンライン会議など、ビジネスシーンでも大きな利点となります。

通話の時にVision Proを外さなくても、相手には自分の表情や視線が自然に伝わるため、よりスムーズで効果的なコミュニケーションが実現されるのです。

さらに、zoomのような他の会議通話アプリにもこのPersona機能は対応しており、多様な通話シーンでの利用が期待されています。

評判・レビュー

現状の評判やレビューですが、Vision Proの製品レベルや価格の高さに驚く様子が見られます。

このように、Vision Proは解像度の高さだけでなく空間オーディオ技術まで好評なコメントが散見され、将来性の高さから盛り上がっているようです。

しかし、約50万円という価格設定や、バッテリー使用時の連続稼働時間が2時間という点から購入を見送る声も見られ、今後はいかに一般消費者に普及させるかが課題となるようです。

また、2024年2月の米国での発売にあたって、日本から注文しようとする試みも見られます。

Vision Proを購入する際の注意点

Vision Proを購入する際の注意点は2つあります。

1.オンライン購入の際はFace IDで顔サイズの計測が必要

Vision Proをオンラインで購入する際には、Face IDを使用した顔面スキャンが必要です。

この新しいプロセスは、購入者の顔のサイズをスキャンし、フェイスクッションとヘッドストラップのサイズを選定するために導入されています。つまり、オンラインでの注文にはiPhoneやiPadが必須となります。

この顔面スキャンによるサイズ選定は、ユーザーに最適なフィット感を提供し、長時間の使用でも快適さを保つことを目的としています。

一方で、Apple Storeでの直接購入の場合は、この顔スキャンのプロセスは必要ありません。Appleは、特に高価格帯に位置するVision Proを購入するユーザーに対して、使用中の不快感を最小限に抑えることを重視しているようです。

これは、価格に見合った快適な着用感を提供し、先行する競合製品でのユーザー体験の不満を回避する試みと考えられます。

2.近視の人はインサートレンズの追加発注が必要

Vision Proは、メガネをかけたままの装着ができません。そのため、近視の方は、追加オプションとして視力矯正用のインサートレンズが必要です。特に、ZEISS製のオプティカルインサートの使用が推奨されています。

これは、Vision Proのディスプレイパフォーマンスとアイトラッキングの精度を高めるために重要です。

ただし、このインサートレンズの価格は現時点では明らかになっておらず、推測によると、1組あたり300~600ドルになる可能性があると言われています。この点を考慮し、購入前に追加費用を見積もることが重要です。

また、他社製のアクセサリや互換インサートレンズについても、Apple Vision Proのアイトラッキングシステムの精度を損なわないような設計が必要となるため、その提供には課題が伴います。これらの情報を踏まえ、Vision Proの購入を検討する際には、予算と必要なアクセサリについて十分に検討することが推奨されます。

Vision Proを購入する際は、以上のことを把握しておきましょう。

まとめ

この記事では、2024年最も注目されている「空間コンピューティング」Vision Proについて解説しました。

約50万円という高価格に見合う価値はあるのか、体験者レビューが待ち遠しいですね。また、日本での販売も楽しみです。

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