【3D Gaussian Splattingとは?】概念・撮影方法・メリットデメリットを徹底解説!
昨今話題になっている「3D Gaussian Splatting」
これまでの技術と比べて、より一層綺麗な3D空間を表現する技術として注目されています。
今回は3D Gaussian Splattingについて理解を深められるように、基本概念や既存の技術との違いなどを解説します。

- 1. 3D Gaussian Splattingとは?
- 1.1. 3D Gaussian Splattingの基本概念
- 2. 3D Gaussian Splattingと点群データやNeRFの違い
- 2.1. 3D Gaussian Splattingと点群データとの比較
- 2.2. 3D Gaussian SplattingとNeRF(Neural Radiance Fields)との比較
- 3. 3D Gaussian Splattingの相談なら株式会社Forgers
- 4. 3D Gaussian Splattingのメリット・デメリット
- 4.1. メリット
- 4.2. デメリット
- 5. 3D Gaussian Splattingを実際に試すには?
- 5.1. 必要なハードウェア・ソフトウェア
- 5.2. 3D Gaussian Splattingを使用できるソフトウェア
- 6. 3D Gaussian Splattingの生成のための撮影方法
- 7. まとめ
3D Gaussian Splattingとは?
3D Gaussian Splattingの基本概念
3D Gaussian Splatting(3Dガウシアン・スプラッティング)は、視点依存の「ガウス分布」で 3D 空間を埋めることで新しい視点を生成する最新の3D再構成の手法です。
この技術では、複数の視点から取得した画像を基に、ガウス分布(正規分布)を利用してシーンを表現し、滑らかでフォトリアリスティックな3Dモデルを作成します。
従来の3D再構成技術(点群データ、NeRF)と比べ、高速なレンダリングと非常に高いクオリティを両立している点が特徴です。
特に、点群データのように個々の点を独立して扱うのではなく、各点が以下のデータを持ちガウス分布として統計的に処理するため、従来の手法よりもスムーズで連続的な破綻のない表現が可能です。
- 3D空間上の位置(x,y,z)
- RGBの色情報
- 不透明度(α値)
- 分散度合い(形状と向きを表す3×3の共分散行列)
上記のパラメーターによって複雑な形状や微妙な光の効果を自然に表現されます。

3D Gaussian Splattingと点群データやNeRFの違い
3D Gaussian Splattingと点群データとの比較
点群データ(Point Cloud)は、3Dオブジェクトを多数の離散的な点で表現する手法です。
一方で3D Gaussian Splattingは、3次元空間を連続的な確率分布として捉えて表現される手法です。
点群データは各点に決まった色が表現されていますが、3D Gaussian Splattingの場合は視点方向に依存する色情報も持っているため、視点を変えると3D Gaussianの色が少しずつ変わります。
この能力が複雑な光の反射特性を近似できるため、実物に近い色合いを表現することができる理由になります。
項目 | 3D Gaussian Splatting | 点群データ |
---|---|---|
表現方法 | ガウス分布による滑らかな表現 | 個々の点の集合 |
レンダリング速度 | 高速(GPU最適化) | 低速(データ密度依存) |
フォトリアリズム | 高い | 低い(近づくと点にしか見えない) |
3D Gaussian SplattingとNeRF(Neural Radiance Fields)との比較
NeRF(Neural Radiance Fields)はニューラルネットワークを用いた3D再構成技術であり、光の放射輝度を推定するためにニューラルネットワークを使用して新しい視点を作成する技術です。
NeRFにより従来の3Dスキャンでは難しかった写実的な陰影表現もできます。
以下のようなクオリティのデータを作ることができますが、ニューラルネットワークを使うのでデータを作るために端末の処理性能が必要でかつ学習時間と生成時間が大きくかかるという課題がありました。
一方で3D Gaussian Splattingはニューラルネットワークを使用せず、代わりに確率的勾配降下法などの従来の機械学習最適化手法を活用しているため、ニューラルネットワークのレイヤーを使用しないため、計算効率が大幅に向上しています。
項目 | 3D Gaussian Splatting | NeRF |
レンダリング方式 | ガウス分布の最適化 | ニューラルネットワーク |
計算コスト | 低い | 高い |
リアルタイム性 | 高い | 低い |
※関連記事:【2025年最新】画像から3Dを再構築する技術「NeRF」の仕組みと活用事例を徹底解説
3D Gaussian Splattingの相談なら株式会社Forgers

当メディア運営元・株式会社ForgersはNTTドコモやニトリをはじめ、多数の大手企業のXR開発や導入を支援しています。
3D Gaussian Splattingの活用や現場での活用支援などを行っています。
少しでも気になる方は、無料で相談承っておりますのでぜひご相談ください。
3D Gaussian Splattingのメリット・デメリット
メリット
- リアルタイムレンダリング:GPUを活用した高速な描画が可能。
- フォトリアリズム:高品質な画像生成ができ、リアルなシーン再現が可能。
- メモリ効率の向上:NeRFに比べて少ない計算資源で実行できる。
デメリット
- データ収集が必要:高精細な3D再構成には、多数の画像が必要。動画撮影で実現する場合もあり
- 動的シーンへの対応が課題:現在は主に静的シーン向けの技術。
- ぼやけた表現で詳細が分からない場合がある:利用用途によるが特定の視点から見た時にガウシアンがぼやけることで分かりにくくなる場合がある
3D Gaussian Splattingを実際に試すには?
必要なハードウェア・ソフトウェア
- GPU:NVIDIA RTX 3090 / 4090 などの高性能GPU推奨。
- ライブラリ:PyTorch, OpenCV, CUDA を活用。
- オープンソース実装:GitHubで公開されているプロジェクトを活用可能。
3D Gaussian Splattingを使用できるソフトウェア
- Gaussian Splatting Viewer(オープンソース)
- 研究者や開発者向けのリアルタイムビューワー。
- GitHub上で無料提供。WebGL実装。
- NeRFStudio
- 3D Gaussian Splattingを含む様々なニューラルレンダリング技術を統合したツール。
- GUIがあり初心者でも使いやすい。
- Postshot
- 3D Gaussian SplattingをGUIで操作でき、ローカル完結のツール。
- 環境構築が不要で、アプリをダウンロードすることでNeRFや3D Gaussian Splattingを生成できる。
- Luma AI
- スマホで使用できる3Dスキャンツール。
- NeRFや3D Gaussian Splattingを生成できる。
- ※Luma AI紹介記事:【NeRFをスマホで手軽に使えるLuma AIとは?】高精度3Dスキャンアプリの解説と他のツールとの比較
- Unityプラグイン
- 3D Gaussian SplattingをUnityに取り込むためのプラグイン。
- 商用利用が可能
- Scaniverse
- スマホで使用できる3Dスキャンツール。
- ローカルで3Dデータを生成できる。
- ※Scaniverse紹介記事:【3Dスキャンアプリの筆頭】iOS・Android両対応「Scaniverse」|使い方やほかのツールとの比較
3D Gaussian Splattingの生成のための撮影方法
3D Gaussian Splattingでは大きく①撮影、②3D Gaussian Splattingの学習、③3D Gaussian Splattingの生成という順番になります。
特に綺麗なデータを作りたい場合には多くの画像が必要なため、写真撮影もしくは動画撮影で撮影します。
撮影をする際に注意すべき点は以下
- 物体を静止させること
- 特徴点が多いものを選ぶこと
- 撮影スピードはいつもよりもゆっくり行うこと
- 様々な角度と視点で撮影すること
- 手の影が入らないようにすること
まとめ
3D Gaussian Splattingは、次世代の3Dレンダリング技術として注目されており、点群データやNeRFと比較してもリアルタイム性とフォトリアリズムを両立できる点が魅力です。
今後もさらなる最適化が進み、さまざまな分野での応用が期待されます。
また、開発者向けのツールが充実しており、オープンソースプロジェクトやゲームエンジンとの連携も進んでいます。
特に、建築、VR/AR、文化財保存などの分野では、今後の技術革新によってさらなる活用が期待されるでしょう。
